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【栃木】

とちぎの課題 統一選を前に<5>就職難 求職者と採用側に意識差

2011年3月9日

合同就職面接会の会場。大手企業(左奧)などに人気が集まる一方、人が立ち寄らないブースも目立った=宇都宮市で

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 「大手企業に絞ったのがいけなかったのかもしれない」。宇都宮市のホテルで八日開かれた、県などが主催する合同就職面接会。今春、都内の私立大を卒業する同市出身の女性(22)は、リクルートスーツ姿の若者であふれ返る会場を見渡しながら危機感を覚えた。

 女性は「友人たちがそうしていたから」と、都内の大手企業を中心に四十社近くを回った。その結果、いまだ内定はゼロ。「もう少し視野を広げていれば良かったかな」と表情をこわばらせた。

 “超氷河期”といわれる就職戦線。一月末の県内大学生の内定率は前年同期を0・6ポイント下回る61・9%で、統計の残る一九九八年以降、最低を記録した。

 この背景にあるのが、採用意欲が高い中小企業に対し、学生が企業規模や職種にこだわりすぎることによって起きる「雇用のミスマッチ」。実際、求人数はリーマン・ショックの影響で過去最低だった前年を27・3%上回る二千三百四十七人に上り、従業員三百人以下の中小企業では33・4%の増加率を見せている。

 この日の面接会でも、列ができるのは大手や、事務職を募る企業ばかり。閑古鳥が鳴いていたブースも多く、途中で帰ってしまった企業もあった。ある福祉施設の人事担当者(43)は「きつい仕事というイメージのせいか、誰も来ませんでした。人手不足なのに…」と弱り切った表情でこぼした。

 栃木労働局の担当者は「学生の大手志向に加え、中小企業の情報が伝わっていないことがミスマッチの要因」と指摘する。広告経費に余裕がない企業は、就職サイトに登録すらできない。この担当者は「独自の技術を持っている企業もあるし、小所帯ならではのやりがいもあるはず」と主張。「行政が中小企業の情報を広く発信したり、魅力を引き上げるための仲介をすることも大切」と訴える。

 ミスマッチを解消しようと、県と同労働局、各大学、経済団体などは昨年十月、「新卒者就職応援本部」を設置。学卒未就職者を雇う企業への支援をはじめ、各種施策に乗り出している。ただ、目に見える成果は出ておらず、“特効薬”がないのが実情。いかにしてミスマッチをなくすか、その答えはまだ見つかっていない。 =おわり

 (この企画は小倉貞俊、松平徳裕、清水祐樹が担当しました)

 

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