先発狙う高崎、マゾーラ Ｊ１浦和
| 練習から積極的にアピールする高崎（右）とマゾーラ＝７日、大原サッカー場 |
６日の開幕戦で神戸に０―１で敗れた浦和。指ペトロビッチ監督の初陣を飾れなかった要因の一つが攻撃陣の不発だ。その中で途中出場した高崎とマゾーラに期待が集まる。プレシーズンで強烈にアピールした２人は虎視眈々（たんたん）と先発のチャンスを狙っている。
浦和は充実の攻撃陣をそろえる。開幕戦で先発出場したエジミウソン、田中、原口をはじめ、エスクデロ、梅崎ら人材は豊富だ。ペトロビッチ監督は１点が欲しい神戸戦の後半３６分、田中に代えて高崎、４１分に原口に代えてマゾーラと、２枚の交代カードを切った。
だが、結果を出すにはさすがに出場時間が短かった。高崎は「もう少し早いタイミングで入りたかった。でも１０人で負けていたから」と複雑そう。マゾーラは「少ない時間で何ができるか考えたが、球に２、３回しか触っていない」。ともにシュートはなく、長所を出すまでには至らなかった。
開幕戦は無得点。プレシーズンマッチも３試合で２得点しかしていない。サイドを起点にチャンスをつくろうとする意図は見えるが、得点に結びついていない。
高崎は２００９年にＪ２水戸で１９得点を挙げ、浦和に復帰。昨季はリーグ５試合１得点とフィンケ前監督の信頼を勝ち取れなかった。今季は開幕前の練習試合で５試合７ゴールとアピール。Ｊ２栃木とのプレシーズンマッチでは途中出場で決勝点を挙げた。
今季は「やろうとしているサッカーが分かる」とペトロビッチ体制に適応。「ＦＷがしっかり球を引き出して分厚い攻撃がしたい。もっとやれるし、できないといけない」と自分自身に期待する。
今季加入したマゾーラはさいたまシティ杯の大宮戦で強い印象を残した。後半途中から出てくると、スピードに乗ったドリブル突破で何度も好機を演出。ブラジルのグアラニに所属し、昨年の全国選手権で２９試合７ゴールを記録した片りんを垣間見せた。
Ｊリーグのピッチに始めて立ち、「アウェーであれだけサポーターが来てくれた。ホームも真っ赤にしてくれると思うし、次は浦和の本当の位置がどこにあるべきか証明したい」とＧ大阪戦での埼玉スタジアムデビューを待ちわびている。
１月のアジアカップで日本代表が証明したように、途中出場の選手が得点を挙げると、チームの雰囲気が俄然盛り上がってくる。もちろん２人の目標は先発定着。だが、今は背番号１６と２９が浦和の上昇気流を描くための２枚の切り札となる。