大相撲の八百長問題を調査する外部機関の特別調査委員会(調査委)が、東京・両国国技館近くのちゃんこ店で力士からの聞き取り調査を行っていたことが8日、分かった。場所は陸奥親方(元大関霧島)がプロデュースする「ちゃんこ霧島」で、この日は十両の星風(27)=尾車=ら数人の聴取が行われたとみられる。
◇ ◇
「灯台下暗し」と言うべきか、「木の葉を隠すなら森の中」と言うべきか。両国国技館から、わずか徒歩1分の距離にある「ちゃんこ霧島」で重要な八百長の聞き取りが行われた。最後に聴取されたとみられる星風は、報道陣の追跡を振り切って、無言のまま車で立ち去った。
星風はモンゴル出身の十両力士で、現時点で調査委がどの程度、八百長への関与を疑っているのかは不明だ。調査委が当初から調査対象としている14人の中には含まれていない。伊藤滋座長(協会外部理事)が4日の調査委会合後に漏らした「うん十人のグレー力士」に入るとみられる。
問題発覚直後は、調査委による聞き取り調査は都内のホテルで行われることが多かった。全関取衆を対象にした際も、ホテルに入る力士たちの姿が多数目撃されていた。場所を貸した形となった陸奥親方は問いかけにも無言のまま、「ちゃんこ霧島」と道路を挟んで向かいにある陸奥部屋へと消えた。
14人の中のある力士は「自分はまだ調査が終わったとは聞いていない。次にいつやるかも聞いていません」としている。調査委は11日と18日に会合の開催を予定しており、調査は今後も継続する。ある協会員は「中で食事をしていただけじゃないの?」ととぼけたが…。八百長問題の究明は場所を選ばず進められている。
ソーシャルブックマーク・RSS・twitter・Facebook