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【大相撲】

舞の海さん 八百長撲滅難しい

2011年3月9日 紙面から

 大相撲の八百長問題について、NHKの大相撲解説者で、元小結舞の海さんがもの申した。舞の海さんは8日、関西プレスクラブの招きで大阪市内のホテルで講演し「お金のやりとりとか八百長はいけない」としたうえで「人情相撲とかいわれるけど武士の情けはある」と相撲界の体質を指摘。八百長をなくすのは難しいとした。

 ストレートな発言だった。舞の海さんは、八百長問題の解決、今後の撲滅の難しさの前提として相撲界の人情を説明した。「人間のやることだから非常に厄介。お金のやりとりとかシステム的に八百長をやるのはいけないこと。ただ、人情相撲とかいわれるけど武士の情けはある」

 具体的な名前や日時は明かさなかったが、人情相撲の一例を体験をもとに示した。「私が10勝4敗で、相手が3、4勝で幕下、十両に落ちそうになった時に、千秋楽で仕切っている間に頼むよと目が言っている。(一緒に)酒も飲むし、ゴルフもする。かわいそうとは思ってないけど、奥さんや子どもの顔が浮かんできた。その時は負ける」。ちなみに、舞の海さんが10勝4敗で千秋楽を迎えたのは幕内では1993年夏場所、十両では97年春にそれぞれ1度ずつあるが、いずれも千秋楽は勝っている。

 こんな一例もある。96年名古屋場所で、小錦と対戦した際、左膝に小錦の全体重がかかり靱帯(じんたい)2本が断裂した。それがきっかけで十両に陥落。5場所後の97年夏に再入幕を果たしたが、再び小錦との取り組みが待っていた。

 「恐怖心から横に変化した。2、3歩歩いて向き直って襲いかかってくるだろうと思ったら、そのまま、トコトコ歩いて土俵を割ってしまった。びっくりした。どう見ても“八百長相撲”なんですね。多分、頑張って上がってきたんで、この1勝は『お祝い』だったんだろうと」

 人情相撲と、金のやりとりが絡む八百長は、似て非なるものだろう。舞の海さんは、人情相撲の背景を具体例で示したうえで、八百長撲滅策にも言及。取り組みを当日の土俵入り後に発表する、支度部屋の親方による監視、給料を番付1枚ごとに変えるなどを挙げた。それでも「(八百長を)あぶり出す方法はないでしょう」と、決定的な手だては簡単には見つからないと言った。現状の打開策として「公益法人を返上したほうがいい」と、日本相撲協会にももの申して、講演を締めくくった。(中山隆志)

 

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