北九州市小倉南区の指定暴力団工藤会事務所が市内の医療法人に売却されたことを受け福岡県警は8日、事務所前に設置していた「警察官立寄(たちより)所」を閉鎖した。閉所式には地域の約100人が出席。前日に就任したばかりの菱川雄治県警本部長が「住民が勇気を持って暴力団排除に取り組んだ成果だ」と強調し「工藤会は全国でも類を見ないテロ組織。あらゆる法令を駆使して壊滅に追い込む」と決意を述べた。
事務所は昨年3月、開設が確認され、その直後、撤去運動リーダー宅への発砲事件が起きた。県警は昨年6月に立寄所を設置し、警察官が24時間駐在して組員の出入りを監視していた。この日は菱川本部長と小倉南署の岡栄興署長が看板を外し、立寄所を閉鎖した。
近くの男性(72)は「地域を挙げた暴排運動の一つの節目になった。これで子どもたちも安心し、笑顔が戻るだろう」と安堵(あんど)していた。
=2011/03/09付 西日本新聞朝刊=