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麻酔医の麻薬違法使用:横浜市立大医療センター、不法所持の防止策 /神奈川

 ◇抜き打ち尿検も

 横浜市立大付属市民総合医療センター(南区)の元麻酔医が医療用麻薬「フェンタニル」を違法に所持・使用した事件で、同センターは7日、麻薬を扱う医師らの尿検査実施や院内のモニターカメラを拡充する再発防止策を発表した。厚生労働省によると、医師への尿検査は極めて異例の措置となる。

 今後、同センターで麻薬を扱う医師や看護師ら約800人の一部を対象に尿検査を抜き打ちで実施する。時期や方法は未定で、今後検討するという。

 元麻酔医は手術使用分の処方箋を水増ししたり、集中治療室で他の薬とすり替えてフェンタニルを入手していた。医師が手続きに沿って麻薬を入手する場合は在庫や帳簿などのチェックだけでは不正が見抜けず、手術室のモニターに録画機能を付けたり、集中治療室にモニターを新設する。

 事件の調査委員会委員長を務めた野口和美副学長は「(医師が麻薬を)手にとって患者に使う以上100%の防止は難しい」と述べ、今後は数量管理より、検査やモニターチェックに力点を置くと述べた。元麻酔医が精神的悩みを抱えていたことから、センターには精神面に重点を置く健康管理室も設置する。

 また同センターは同日、麻酔科部長(51)と集中治療部長(59)を減給(平均賃金1日分の半額)、副看護部長(54)を戒告の懲戒処分にした。【杉埜水脈】

毎日新聞 2011年3月8日 地方版

 
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