米子市西町の鳥取大医学部付属病院に建設中だった新しい救命救急センターが7日、完成した。旧センターと比べ3・4倍の広さ。地域医療と災害時の治療拠点として期待されている。14日午5時から業務を始める。
約60人が出席した完成式で能勢隆之学長が「住民の安全安心に寄与したい」と述べ、「島根県民も県境を越えて利用し、島根の地域医療も支えてもらっている」という溝口善兵衛・島根県知事の祝辞を披露。本間正人・センター長が病院に併設されたセンターを紹介した。
鉄筋2階建て延べ床面積860平方メートル。総事業費は5億7700万円。
医師13人と看護師32人が交代で勤務する。1床から2床に拡充された3次救急対応室は、一刻を争う重症患者の蘇生処置をする専用室。中程度の患者用の2次救急対応室も2床から4床に増床し、受け入れ態勢を強化した。災害時には最大5倍に増床できる。
サリンなど劇毒物や放射線に汚染された患者から汚染を取り除く除染室も新設された。
センターは09年4月、専属医4人の一斉退職により存続の危機が表面化したためスタッフを拡充。豊島良太院長は「今回、ハード面の課題も解決できた」と述べた。【小松原弘人】
毎日新聞 2011年3月8日 地方版