米航空宇宙局(NASA)の研究者が、宇宙から飛来した隕石(いんせき)の内部に地球外生命体の「化石」を見つけたと米専門誌ジャーナル・オブ・コスモロジー(電子版)に発表した。生命が地球外で生まれ隕石や彗星(すいせい)によって地球に運ばれた可能性を示すとしている。同誌は論文を検証するため、約5000人の科学者らに意見を求めている。
論文を発表したのはNASAの宇宙生物学者、リチャード・フーバー博士。19~20世紀前半にフランスやアフリカで見つかった3つの隕石を切断し内部を電子顕微鏡で観察した。その結果、藍藻と呼ぶ原始的な藻類によく似た構造を見つけた。
隕石内部から取り出したので、後から地球上の藍藻が入り込んだとは考えられないと主張。この構造物は隕石に含まれて地球外からもたらされた「化石」だと結論づけている。
元素分析の結果では、見つかった構造物には炭素が多く含まれ、生命の基本元素の一つである窒素はほとんど含まれていなかった。フーバー博士は「窒素を含む成分は大昔に分解してしまった」と説明している。
同博士は1996年にNASAが火星の隕石から微生物の痕跡を発見したと発表した際にも研究に加わっていたが、結論は出ていない。
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