◇セリエA第28節(6日・ミラノ) インテルミラノ5−2ジェノア
ジェノア戦の後半、移籍後初ゴールを決めるインテル・ミラノの長友(PHOTOSTAR)
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【ミラノ酒巻陽子】イタリア・セリエA、インテルミラノの日本代表DF長友佑都が6日、ホームでのジェノア戦で、セリエA初ゴールを奪った。5試合ぶりにベンチスタートとなったが、後半33分から途中出場。その6分後にゴール正面でパスを受け、左足での反転シュートでネットを揺らした。厳しいレギュラー争いの中で着実にステップアップを続けている長友は、3月の国際親善試合での日本凱旋を熱望した。 【関連記事<7>面】
まるでストライカーのような反転からの鮮やかなメモリアルゴールだった。交代出場からわずか6分しかたっていなかった後半39分。MFスナイダーにボールを預けると、左サイドを猛ダッシュで駆け上がる。リターンが来ないと見るや中央へ。右サイドからのクロスボールをMFカルジャが正確に落とし、これを受けると豪快にけり込んだ。鋭い切り返しで強引に相手をかわし、左足を迷わず振り抜いた。
「敵の動きが見えていたので重心を逆に取ればゴールできると思った。自分の前ではなく、後ろに反転しながらボールを蹴ればということでイメージ通りにできた」
狙い通りのゴールで、大喜びの背番号「55」はベンチへ猛ダッシュし、「点を取ることができて感謝の思いがある。いろいろお世話になっているのでプレーで恩返ししたいと思っていた」と、恩人のレオナルド監督に抱きついた。すぐに歓喜の輪ができ、MFサネッティが長友に日本流のお辞儀。長友も満面に笑みを浮かべながら、深々と頭を下げるパフォーマンスをみせた。
やがて試合終了のホイッスルが鳴り、長友は誇らしげに胸を張って引き揚げてきた。「点を取りたくて取りたくてしょうがなかった。ホームで決められたのは本当にすごく良かった。とても気持ちがいい」と晴れやかな表情。「(首位ACミランとの)ダービーで勝てば見えてくるし、可能性は高いと思う」と、勝ち点5差をひっくり返してのリーグ戦6連覇にも自信をみせた。
本来のレギュラー陣が戦列復帰してきたことで出番が減るかとも思われたが、果敢なプレーで新たな可能性を感じさせた青きサムライ。この男の勢いはとどまるところを知らない。その成長ぶりはまさに天井知らずだ。
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