劇場版『空の境界』の主題歌をはじめ、多くのアニメに繊細なコーラスワークで鮮やかな色を添えるヴォーカルユニット・Kalafina。
作曲家・梶浦由記氏が生み出すファンタジックな楽曲と、Wakana、Keiko、Hikaruの三人の歌声は、今や日本のみならず世界に響き渡り、多くのファンを獲得している。
そんな彼女たちが2011年第1弾シングル『Magia』をリリースしたのは2月16日のこと。
可憐な魔法少女たちによるリアルな人間ドラマで話題沸騰中のアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のEDテーマとして使用されている同曲は、Kalafina史上もっとも力強く妖しげなナンバーとしてアニメ同様話題を呼んでいる。
そのCD発売を記念して、2月20日、東京・タワーレコード新宿店にてインストア・ミニライブが開催された。
■妖しげな旋律がタワーレコードに魔法をかけた!
昨年12月に行われた「Kalafina LIVE 2010 “輝く空の静寂には”」で着用した黒とゴールドの組み合わせがシックな魅力を放つ衣装でステージに登場したKalafina。
彼女たちを出迎えたのは、およそ450人にも及ぶファンの声援だった。
特設ステージが設置された店内フロアに溢れかえる人、人、人……。
その熱気を一身に受けつつ、まず三人は新曲『Magia』を披露した。
力強いタムフレーズが響くと、ステージ上の歌姫たちもビートに合わせて体を揺らし始める。
まるで生命の脈動のような力強い打音に乗せて、妖しげな造語によるコーラスが始まる。
そしてメインヴォーカルを務めるHikaruを、Wakanaの伸びやかな高音とKeikoの力強い中音域がしっかりと支え、幻想的でありながらも強い意志を感じさせるハーモニーを店内に響かせた。
呪術的なオーラを放つ三人にすっかり魅了されてしまった観客は、最後のギターのスクラッチが終わるまで、まるで魔法にかかったように(『Magia』はラテン語で「魔法」という意味)ステージに見入っているのだった。
盛大な拍手を受け、「すごいですね!」と感激の表情を隠せない三人。
Wakanaは「後ろのほうが見えない!」と驚きの声を上げ、Keikoは「もしかしたら私たちの姿が見えない方もいるかもしれないけど、歌声だけはしっかり届けます!」とファンに約束する。
そして毎回のんびりしたトークで会場の空気を和らげるHikaruは、「(お客さんの位置が)近い! みんながしっかり見えます」と、やはりほのぼのした口調でファンに呼びかける。
そんな三者三様の挨拶に続き、Kalafinaは『Magia』についてのトークを披露した。
Keikoは「生で歌うたびに進化し変化していく曲だと思います。これからどんどんライブで聴いていただくことで、みんなで作っていける曲じゃないかな」とコメントし、春からスタートするツアーへの意欲も垣間見せた。
■『snow falling』の聴きどころは?
引き続き披露されたのは、『Magia』のカップリング曲として収録されたカヴァー曲『snow falling』(劇場版『空の境界』終章カヴァーソング)だ。
淡々と奏でられるピアノの旋律に乗せて、透き通ったWakanaの独唱で始まる『snow falling』には、静謐な美しさが漂っている。
そのタイトル通り、そっと降り積もる粉雪の情景が目に浮かぶような、美しくシンプルなナンバーだが、同時に彼女たちの情感豊かな歌声からは温かな母性も感じられる。
そんな珠玉のバラードを歌う中で、Hikaruが舞う雪を追うようにそっと宙を見上げたのが非常に印象的であった。
まるで映画のワンシーンのような彼女のシルエットに、誰もがはっと息を飲んだことだろう。
同曲はデビュー以来一貫して主題歌を担当してきた『空の境界』シリーズのフィナーレを飾るナンバーということで、Kalafinaも『snow falling』というナンバーには『Magia』とはまた違った思い入れがあるようだ。
「シンプルな曲なので、力強い『Magia』からの持っていき方が難しいかもしれないと思っていましたが、『空の境界』への思い入れが強いのですぐに入り込むことができました」
というWakanaの言葉にKeikoとHikaruも大きくうなずく。
また、曲の聴きどころとして、
「曲の真ん中にあるワルツのフレーズは原曲にはない部分なのですが、ふわっと雪が舞っているシーンを想像できるようなお気に入りの箇所です」
と、Wakanaはカヴァーバージョンならではのポイントを挙げるのだった。
「静と動」を感じさせるシングル『Magia』収録曲を披露したKalafinaだが、次で早くも最後の曲。
「このまま大きな場所に移動してワンマンライブをやりたいですね(笑)」
とWakanaは冗談交じりにコメントしたが、それは会場にいた誰もが思っていたことだろう。
だがそこは我慢して、「春にはツアーが待っていますので」というKeikoの言葉に続き、
Hikaru「今回はホールツアーなので、ホールならではの見せ方を練っています。故郷の富山でもライブをやりますので、ぜひ来てください!」
Wakana「このツアーで皆さんに魔法をかけたいと思います。そんな魔法(Magia)ツアーにしたいと思います」
と他のメンバーもツアーへの意気込みを語る。それを聞いたファンからも期待を込めた温かな拍手と声援が飛んだ。
大きな応援を受けて、Kalafinaは最後に万感の思いを込めて『storia』を披露。
まだ見ぬ異国の音楽のようでいて、どこか懐かしい。
そして雄大な歴史を思わせる民族音楽調のサウンドに、三声のハモリが鮮やかに映える。
~君の目を見てた~
の歌詞とともにファンとまっすぐ向き合った三人は、神々しさすら感じさせる歌声を響かせるのだった。
■イベント終了直後のKalafinaにインタビュー!
インストアイベント終了直後のKalafinaに突撃取材を敢行!
ファンの間近で新曲を披露した彼女たちの生のコメントをお届けしよう。
──今回のインストアイベントはいかがでしたか?
Wakana「あんなに近い距離で皆さんに曲を聴いていただけるというのは、普通のライブとはまた違う感じがして楽しかったです」
Keiko「4回目のインストアイベントにして、ようやく皆さんとの距離に慣れてきたという感じです」
Hikaru「たくさんの方が来てくださって、本当に私たちのCDを楽しんでくれる人がいるんだなと実感しました」
──3月27日より「Kalafina LIVE Spring TOUR 2011 “Magia”」がスタートしますが、今度のツアーはどんな衣装になりそうですか?
Wakana「それぞれの個性を重視したデザインで作っていただいているので、その衣装を着て自分たちの好きな音楽を大切に歌っていきます」
Keiko「今回は新曲『Magia』をタイトルに掲げた魔法のようなライブにしたいと思っています。そして皆さんがライブに来てくれるその日は特別な日だよ、という思いを表現できるような衣装にしたいです」
──『Magia』は進化し、成長していく魔法のような曲とおっしゃっていましたが、今回のインストアイベントを通じて『Magia』はこれからどんな曲に成長していくと思いますか?
Wakana「最初は妖しくて怖いメロディという印象だったんですが、今ではこのメロディが愛おしくて、皆さんに『Magia』を届けたいという気持ちがどんどん強くなってきています」
Keiko「想像が膨らみやすい謎めいた曲であると同時に、とてもリアリティのある歌詞が『Magia』の特徴です。歌詞にこだわっている分、その言葉をみんなに届けたいという想いが日々強くなっていっているので、それが今後の変化につながっていくと思います」
Hikaru「ライブのたびに三人のハーモニーのクオリティを上げようと意識して練習しています。そのおかげで三人の息がより一層合ってきているように思います」
──ライブツアーに向けての意気込みをお願いします。
Keiko「ライブツアー「Kalafina LIVE Spring TOUR 2011 “Magia”」が3月27日から始まります。今年初めてのツアーであると同時に、Hikaruの出身地である富山でも凱旋ライブをやらせてもらえるということなので、毎回のライブがスペシャルになるような公演にしたいです」
──ありがとうございました!
(文中敬称略)
(photo=藤田恵一)(有田シュン、OH編集部)
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ニューシングル「Magia」リリース記念ミニライブ in タワーレコード新宿店(2/20) | |||
曲順 | 曲名 | iTunes | mora win |
1 | Magia | ──── | |
2 | snow falling | ──── | |
3 | storia | ──── |
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『Magia』リリース記念 Kalafinaインタビューはコチラ
タグ: kalafina