大手携帯電話3社が、3月の自殺対策強化月間に合わせてNPOが運営する相談機関検索サイトのリンク情報を携帯のトップページなどに掲示したところ、掲示を始めた1日午前9時からの24時間で20万件を超えるアクセスがあった。関係者は「助けを求めている人がこんなに多かったとは」と驚いている。
このサイトは、NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」(東京都)が運営する「いのちと暮らしの相談ナビ」。悩みを抱えている人に、それぞれの状況に合った相談機関を見つけてもらうことを目的に、08年に開設された。
行政機関や弁護士の相談窓口、ボランティア団体など約5000件を登録。悩みの内容や居住地域、相談方法(面談か電話か)など、いくつかの条件を選択すると、それらに適合する相談機関の連絡先が一覧で表示される。悩みの内容は、サイトにアクセスする人のさまざまな心情を想定し、「今すぐ死にたい」「消えてしまいたい」なども選択肢に入れている。
普段のアクセスは1日500件ほどだという。政府が自殺者の多い3月を対策の強化月間と定めたのに合わせ、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社と提携。3社がインターネット接続のトップページなどに「相談ナビ」へのリンク情報を掲示することで合意した。「生きるのがツラい 暮らしがキツい まず相談を」などのメッセージ付きで、目にとまりやすい画面に掲示されたことからアクセスが一気に増え、開始から24時間で22万2000件に達した。
リンク情報は数週間にわたり掲示される。ライフリンク代表の清水康之さんは「相談機関は数多くあるのに、深刻な問題を抱えて悩んでいる人が、生きるための支援につながる情報を見つけ出すのは簡単でない。そんな現状を変えていくことが自殺対策として必要だ」と話している。相談ナビのアドレスは次の通り。
http://m.lifelink-db.org/【鮎川耕史】
毎日新聞 2011年3月3日 東京夕刊