「ふらんす亭」や「けん」などの外食店を運営する井戸実氏のネットでの発言がたびたび物議を醸し、バッシングに晒されている。客に対する批判や悪口が反発を招いているのだ。一方で、発言は飲食店経営者や従業員のホンネであり、自分達の意見を代弁してくれている、と評価する人もいる。
先日はSNS「フェイスブック(Facebook)で、クレームを入れた客に対し「ホントにうぜーなぁ」「たった1000円の食事でクレームするな!」などと書いて大騒ぎになった。
井戸氏は2006年9月に設立された外食チェーン運営のエムグラントフードサービスの社長。「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」「ふらんす亭」「とんかつ&サラダバー よしかつ」などを全国に百数十店舗を展開している。急成長ぶりが注目され、テレビや雑誌のインタビューに度々登場している。出店戦略がユニークで、郊外で閉店となった他社の飲食店をそのまま使うなど新規出店経費を削減し、メニューの低価格化を実現した。
井戸社長は自身の「フェイスブック」で2011年2月23日、
「たった1000円ちょっとの食事で30分もクレーム電話をし続ける奴の気が知れない。働け!」
「未だ電話してるよー。ホントにうぜーなぁ。ソースが乗ってたとか乗って無かったとかでもめてるけど、その場でスタッフに言えば良いのに。なんなんだこのおっさん」
などと書いた。これに対し「客をバカにしている」「庶民にとってメシ代1000円は大金だ」などと掲示板やブログで反発する声が高まり、大騒ぎになった。
井戸社長は過去にも「問題発言」をしている。例えば、09年9月5日に書かれたブログ。チェーン店40店舗目を出したという報告の後、たまに客からステーキの肉がカタイと叱られることがあると綴った。しかし、自分としては自信を持って提供しているステーキ肉であり、
「僕はそのお客様に『顎を鍛えてください。』とメールで返信したことがある」
と書き、反感をかった。
クーポンサイトで販売したおせち料理が届かなかったり、中身が粗末だったりして騒動になった件について「ツイッター」で質問されて、11年1月2日には、
「って言うか止めねぇ?出してる側も一生懸命作ってんだから」
などと返答。ネットでは販売元の社長を庇うような発言をしたのは許せないと「ツイッター」上に抗議が殺到。井戸社長は自身の「ツイッター」を閉鎖する騒ぎになった。
ただ、飲食店経営者や店員のホンネを代弁してくれていて、「語っていることは正論が多く良く理解できる」と評価する人もいる。
先の「たった1000円の食事」発言についても、
「薄利多売の商売してると言いたいことたくさん出てくる。客は神だって勘違いしてる人が多すぎる」
などと擁護する人も出ている。
こうした状況を井戸社長はどうとらえているのだろうか。エムグラントフードサービスに問い合わせてみたところ、井戸社長は不在ということだった。同社広報は、ネットで社長が騒がれているとの認識はないとし、
「お答えできることは何もありません」
としている。
お知らせ
【スポンサードリンク】
|