政治【主張】主婦の年金 政局と切り離し救済急げ2011.3.7 02:25

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【主張】
主婦の年金 政局と切り離し救済急げ

2011.3.7 02:25

 政府は年金の切り替えを忘れた専業主婦の救済策について、見直しの検討を始めた。正直者がバカを見るような政策を改めるのは当然である。

 政府内では、新たな救済策として、時限立法により、現行法で認められている2年よりさかのぼって保険料を追納できるようにする案や、保険料を払わなかった期間も受給資格期間に算入し、無年金になるのを防ぐ案が浮上している。正しく手続きした人との公平性が確保され、国民の理解が得られるギリギリの考え方だといえよう。

 こうした救済策を実現するには法改正が必要で、野党の協力が欠かせない。自民党などには政局と切り離した対応を求めたい。

 年金は自己責任が原則だ。なぜ専業主婦だけ救済するのかとの批判もあるが、切り替え忘れは旧社会保険庁の周知不足も一因だ。厚生労働省は、手続きが必要なことを知らなかった人も多いとしている。対象者は最大100万人規模で、無年金となる人も出てくる。政治的配慮を一切しないというわけにもいくまい。もちろん、「今回限りの特例措置」であることは明確にすべきだ。

 現在の救済策はあまりに不公平だというほかない。サラリーマンの妻で専業主婦の場合、保険料を払わなくても老後に基礎年金を受け取れる。だが、夫が脱サラしたり、パートなどで年収が130万円以上になったりしたら、保険料を支払わなければならない。ところが、厚労省は、直近の2年分の保険料を追納すれば、それ以前の未払い分は不問にするとした。

 これでは、保険料を払っても、払わなくても同じ年金額となる。それどころか、正しく切り替え手続きをした人は、過去に未納期間があれば年金額が減額される。批判が相次いだのも当たり前だ。

 しかも、現在の救済策を、法改正でなく安易な課長通知で行い、細川律夫厚生労働相は、その通知が出されたことすら把握していなかった。政府の対応が迷走した責任は、細川厚労相にあると言わざるを得ない。菅直人政権は「自公政権時代からの問題」だとして、自民党などに共同責任を負わせようとしているが、問題のすり替えではないか。

 主婦年金に限らず、年金制度には随所に課題がみられる。政府が制度全体の改革を急がなければならないのは、もちろんである。

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