米国のクリントン国務長官は15日、エジプトやチュニジアの政権崩壊にインターネットが大きな役割を果たしたと述べたうえで、中国が行っているインターネット上の検閲について、「検閲を行っている国は独裁者のジレンマにおちいる」と発言した。

 ロイター通信は、クリントン国務長官の発言とともに、1億2500万人にのぼるマイクロブログユーザーが、中国政府の将来を不安定にすると報じた。

 中国ではTwitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)は検閲対象となっており、中国国内からはアクセスすることができないため、現在のネット検閲の主戦場は、Twitter(ツイッター)に似た機能を持つマイクロブログだ。ユーザーは140字で意見を発表することができる。

 中国政府はエジプトの政権崩壊に対して、ネット上での報道規制を行っているが、ユーザーたちは検閲とコミュニティ閉鎖を回避するため、隠語を用いたうえでエジプトの政権崩壊について議論を行っているという。

 南京大学の李永剛教授は、意見が簡単かつ迅速に伝達されることがマイクロブログの特徴と指摘したうえで、「中国政府は当初、マイクロブログの影響力がこれほど大きいとは思っていなかった」と述べた。

 中国政府は現在、マイクロブログを活用して政府の意見を発信しているが、反体制者ともいえる人びともマイクロブログで中国政府の矛盾を指摘しているという。(編集担当:畠山栄)

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