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前原外相辞任:「自分のミス、残念」 民主に擁護論も

 外国人からの献金を禁じた政治資金規正法に反し、在日韓国人の焼き肉店経営者から献金を受けていた問題を受け、外相辞任を表明した前原誠司氏。日本名(通名)で献金していたケースだけに、党内からは擁護論も出る一方、野党議員からは議員辞職を求める声も出た。

 6日夜の会見で、前原氏は約30分間にわたり、辞任を決めるまでの経緯を説明。終始淡々とした表情だったが、野党時代は「政治とカネ」の問題を厳しく追及していただけに、半年足らずでの外相辞任について「自分のミスでこうなったことは残念」と言葉の端々に悔しさをのぞかせた。

 拉致など朝鮮関連の問題にも詳しい民主党の有田芳生参院議員は「野党が多数を占める参院での審議など、厳しい国会情勢を考慮したのでは」と語りつつ「閣僚を辞めなくてはならないほどか」と疑問点も口にした。

 問題の献金は日本名で行われ、前原氏の会見での説明によると額は25万円(04年以降の確認分)。有田氏は「今回のことが(閣僚を辞めなくてはいけないほど)悪質ということになれば、今後は献金者に戸籍の提示まで求めなくてはならなくなる」と指摘。「悪意を持って同じようなことをやれば、簡単に政治家をわなにはめられるだろう」と危惧も語った。

 別の民主党国会議員も「在日コリアンから献金を受けている例は他にもあるのでは。自民党で同様例があったら、どう対応するつもりなのか」と話した。

 一方、この問題を参院予算委員会で追及した自民党の西田昌司議員は「辞任は当然。規正法違反で罪に問われれば公民権停止もあり得る。議員も辞職すべきだ」と厳しく指摘し「首相も前原外相も、もっと重大な問題と受け止めるべきだ」と語気を強めた。【曽田拓、池田知広】

 ◇「説明は不自然」

 今回の問題を巡り、識者からは厳しい声が上がった。

 政治アナリストの伊藤惇夫さんは「前原外相については、他にも不透明な政治献金を巡る報道があり、国会審議で野党から集中砲火を浴びることは必至だった。そうなれば菅政権が回復不能となると判断し、辞任に至ったのだろう。献金者は中学生からの知り合いで『献金を受けている認識がなかった』という説明は不自然。脇が甘いと言われても仕方ない」と批判した。

 また、政治評論家の有馬晴海さんは「ルール違反は間違いなく、辞める選択は当然だ。自民党に代わる政権として国民が民主党に一番期待したのは、悪いことはせず、国民目線で判断してくれるのではないかという点。ここで辞めなければ『政治とカネの問題でも、我が身に降りかかった場合は甘いのか』と不信感を増長させる結果になる」と辞任の背景を分析した。

 ジャーナリストの大谷昭宏さんは「在日外国人から献金を受け取ったとしても、政治資金規正法が禁じるように、外国人の影響で日本の政治がゆがめられたとは考えにくく、早計ではないか」と指摘。そのうえで「前原外相の献金問題よりも、外相が交代することで日本外交に与える不利益の方が、はるかに重大だと思う」と述べた。

 ◇あかんはあかん--党京都府連幹事長

 党京都府連の山本正幹事長(63)は「本人が判断したことだから地元も理解し受け入れなくてはならない」とコメント。「金額面とか(献金した女性と)家族付き合いだったことで同情論もあるが、あかんことはあかん」と語った。

毎日新聞 2011年3月7日 東京朝刊

 

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