2011年3月6日(日)「しんぶん赤旗」

佐藤衆院議員に“小沢マネー”

陸山会から500万円 09年総選挙時

河村名古屋市長の直系、元秘書


 名古屋市議選で、河村たかし市長が率いる地域新党「減税日本」を支援するため、民主党に離党届を提出した佐藤夕子衆院議員(愛知1区)が、2009年の総選挙で民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」から500万円の資金提供を受けていたことがわかりました。

民主に離党届

 500万円は、衆院が解散された09年7月21日、小沢氏が89人の民主党候補者に配った4億4200万円の一部。この4億円を超す「小沢チルドレン」養成資金の原資は、小沢氏が代表幹事だった新生党が解党した際の残金です。総選挙を前に、小沢氏関連の政治団体「改革フォーラム21」から小沢氏が支部長の「民主党岩手県第4区総支部」を経由して陸山会に迂回(うかい)献金され、学者、弁護士ら46人が政治資金規正法違反だとして東京地検に告発した問題のカネです。新生党資金には、約5億円の立法事務費という税金も含まれており、小沢氏による私物化疑惑も指摘されています。

 佐藤氏は、河村氏の元秘書で07年4月の愛知県議選で初当選。衆院愛知1区で5期目だった河村氏が09年4月、名古屋市長に転身したため、同年8月の総選挙で河村氏の後継者として立候補、初当選しました。政治資金収支報告書によると、佐藤氏の政治団体「佐藤ゆうこ政策研究会」は同年7月21日に陸山会から500万円の献金を受け取っています。

 当選後、小沢元代表を支持する新人衆院議員の集まり「北辰会」に参加。公設第1秘書は、河村氏の衆院議員時代の公設第2秘書を横滑りで受け入れています。小沢チルドレンであるとともに、河村氏直系です。

 ことし2月の市長選で再選された2日後に、小沢氏を表敬訪問し、小沢氏と共同歩調をとっていくことを明らかにした河村氏。それだけに佐藤氏の離党届は、16人の比例単独衆院議員の会派離脱表明、松木謙公農水政務官の辞任と週替わりで続く「親小沢」の動きの一つとして、注目を集めています。

 佐藤氏は、菅直人首相との対決姿勢を強める小沢氏の「別働隊」ではないか、といわれている原口一博前総務相が呼びかけた「日本維新連合」の準備会合(2月23日)にも参加しています。


愛知15人中8人

 09年の総選挙で、陸山会から“小沢マネー”を受け取った候補者は91人にのぼりますが、愛知県では、15小選挙区の候補者のうち、佐藤氏はじめ8人と過半数となっています。

 いずれも500万円で、マルチ商法の業界団体との癒着が問題になった牧義夫衆院厚労委員長(4区)、鈴木克昌総務副大臣(14区)などです。





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