2010年05月18日

遺骨奉還追悼式

2cd2cefa.jpg1910年、韓国併合条約により日本が韓国の行政、司法、外交など主権を奪った日韓併合から100年になります。 語られることが少なくなって、朝鮮半島の方々の誇りを傷つけた日本による併合の歴史を知らない人も多くなっているような気がしますが、他国民の誇りを傷つけた日本が犯した過去の過ちは日本国民として知っておかなければならないと思います。
 そうした歴史の中で日中戦争が起き、日本は朝鮮半島の人々にさらなる犠牲を強いました。半島の人々を日本軍の軍人や軍属として連合国の捕虜の監視に当たらせたり、日本本土に連れてきて空港や鉄道の建設、炭鉱の工夫などとして強制的に働かせたりしたのです。半島から連行された人は1939年から1945年の間で70万人とも80万人とも言われています。戦後、軍人軍属として軍事裁判にかけられ処刑された人や病死した人などの遺骨は、厚生労働省が目黒・祐天寺に委託して管理してきました。政府は遺族が判明した遺骨は返してきましたが、韓国政府の要望もあって遺族が判明しない遺骨もまとめて返すことにしました。去年は204柱の送還を果たし、今年は、219柱の遺骨にお帰りいただくことになり、本日遺骨のお見送りといってもいい追悼式が行われて、わたしも列席したのでした。60年以上も祖国に帰れず、日本のお寺の片隅におかれていた遺骨にはただただ申し訳なくて、ひたすら哀悼の思いを送り、頭を下げることしかできませんでした。
 それでも、こうして軍人軍属の方の遺骨は何とか送還の道があるのですが、民間の方々の遺骨はどのようになっているか調査は行われているものの送還の目途が立っていません。その多くは当時の政府が強制的に徴用してきた、云わば拉致してきた人々です。北朝鮮との間にある拉致の問題も人道的に大問題ですが、日本自身が過去に犯した70万人とも80万人とも言われる人々の拉致について解決しなければ「拉致された日本人を返せ」とはとても言えないのではないでしょうか。
 先日9日の日曜日、親しい友人達に「なんで民主党なんかにいるのかわからない」と言われてショックを引きずっていましたが、こういう問題に出合うと、これらを放置してきた自民党政権に戻すわけには行かない、政権党・民主党ににいて解決を急がなければと思います。
 去年の追悼式には副大臣どまりだった外務省の参加でしたが今年は岡田外務大臣が来て弔意を表していましたし、細川厚生労働省副大臣も列席し哀悼の辞を述べていました。こういうところも前政権ではなかったことです。



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