2011年02月27日

ある日オカマに訪れる危機 其の拾弐 若き騎士

誰しもが諦めかけていたその時
突然びゅうと突風が起こり一筋の大きな黒い影がアンジーに覆いかぶさり霊矢を弾き落とした。
その影は再び空中に舞い上がり耳を劈くほどの鳴き声を上げた。
アンジー『あれは・・・ドラゴン・・?』
マリア『誰か乗ってるわ!』

ドラゴン、龍種の眷属には小型ではプークをはじめ中型のドレイク、ビアスト、大型になるとアースドラゴンやサーペント、伝説級になるとティアマットやニーズヘッグ、ファフニール等々多数あるが
伝説級は呼び名の通り別格ではあるが一般的な竜族の中でも飛竜種ワイバーンは普段エオルゼアでは出会うことは少ない。
突如現れたこの竜はその上位種にあたるエルダーワイバーンであり
数多くのドラゴンが生息する山の王国イシュガルドの更に奥地で極稀に見かける希少種である。
ドラゴンと戦い続けるイシュガルドの民だが一部の部族では宿敵である竜の力を利用する術をあみだし
古来から成人の儀式として山中に篭りその術を用いて野生の竜族を従属させその背に騎乗し戦う事を掟としている。
通常は陸上を走るドレイク等が多いのだが卓越した才能と技術、そして揺ぎ無い勇気を持つものが大空を舞う飛竜を従えその強大な力を手にする事が出来る。
攻撃手段としては種族毎に異なるブレスとその鋭いカギ爪があり、飛竜一頭だけでも
歩兵一個中隊程度の戦力を有する。
更に飛竜最大の特色は騎乗者が大型の突進槍(ランス)を構え大空に舞い上がり
その翼による推進力+落下時の加速で破壊力を増した猛烈なチャージであり、その突進は小規模な砦の城壁程度であれば簡単に打ち砕く程である。飛竜の種類によっては魔法生物である竜族の魔力により簡単な魔法障壁なら打ち破る事も可能だとの噂もある。

そして飛竜に騎乗しているエレゼンらしき男性がランスを掲げ意気揚々と歓声をあげる。
カツヲ『ヒョッホーイ!やっと言う事聞いてくれたぜゲイルちゃん、まだ10回に1回だけどな』
アンジー『カツヲさん!・・・・トイレで泣いてるだけじゃ無かったんですね』
カツヲ『ちょwおまww人を引篭もりみたいにww、まぁいいか。さぁもっといいトコ見せてやろうぜぇぇぇぇゲェェェェイル!!』
ゲイル【メウエノモノニタイスル クチノキキカタガナッテナイ ソノアタマカジルゾ】
カツヲ『そりゃ無いぜセニョール、せっかく来た出番ナンデス!オネガイシマス聡明で勇敢なゲイル様』
ゲイル【チッ シカタナイナ シッカリツカマッテロ クソガキ】
しばらく低い位置を滞空していたかと思うと大きく羽ばたきグングン急上昇をしていく。
そしてくるりと旋回し地上に向かって落下。地面すれすれの位置まで来た瞬間に翼を広げ滑空状態になった。
突然のドラゴンの来襲にたじろいでいる大勢の亡者達の中に突入していく姿は
まるで熟練の裁縫職人が手馴れた手つきで大きな帆布を一直線に裁断していく様を連想させた。
ハム子【カツオ、そのまま突き抜けるのよ!】
カツヲ『わーってるって!オジキ。店での失態ここで挽回しないと男じゃ無いってね!』
バサリと翼をはためかせ更にもう一段階速度を上げ亡者達を薙ぎ倒しながらラヴ子の位置まであと少しの距離に。
呪術師達が抵抗し霊矢を彼等に撃ち続けるがそれは全てゲイルが放つブレスにかき消されていった。

アンジー『これでママへの道が出来たわ!』
マリア『やるじゃないカツヲ・・?あら』

まだ竜に騎乗すら慣れていない上に高速移動、更に急なゲイルのブレスの衝撃に対応出来なかったカツヲが鞍から放り出され、今さっき出来上がった道の中心に落下して意識を失っていた。
ゲイル【ダカラシッカリツカマットケッテイッタノニ】
そして無防備なカツヲに亡者達がにじり寄る。
ハム子『肝心なとこで抜けてるのは血筋かしら・・・。爺っ!』
品の良い老エレゼン『はっ、坊ちゃま』
上質なタキシードに二振りの銀製のレイピアを携えた老紳士が船上から軽やかに飛び降りて襲い掛かる亡者の間をすり抜けあっと言う間に倒れているカツヲの傍まで到着した。
襲い掛かろうとしていたルガディンの亡者が渾身の力で振り下ろした戦斧を交差させた双剣で受け、そのまま流れるような動きで斬りつける。
その後軽々とカツヲを背負い再び驚くべき速度で船上まで戻って行った。
品の良い老エレゼン『ふぅ。坊ちゃま、あまり年寄りを酷使しないでくだされ。』
ハム子『なーに言ってるの、まだまだ現役でも通用するわよ、元騎士隊長様』
品の良い老エレゼン『遠い昔の話です。』
クスリと笑うハム子はカツヲの頬を数回叩きまだ目覚めない事を確認すると
ハム子【アップル聞こえる?気付薬とポーションをデッキまで持ってきて頂戴】
アップル【はい、それと一緒にカモミールティーもですよね?】
ハム子【そう、分かってるじゃない。いい子ね】
サクヤと並んで支援部隊にはアップルが居る、彼女が作成する治療薬や食事には定評があり効果も高い
基本的に好き嫌いの多い近衛隊面々の好みや細かい注文の多いハム子のオーダーに瞬時に対応出来るのは彼女位だろう。
ハム子【ママ!聞こえる?ここはアタシ達が何とかするから先へ進んで頂戴】
ラヴ子『悪いわね、じゃお言葉に甘えて後は頼むわ』
ようやく駆けつけたアオ子達からケアルを受け、応急処置を施したラヴ子達が再びギルドに向かって走り出した。
ハム子【さぁ皆、ここからもう一回気合入れてきなさーい!いいかしら?】
ファンナ【ココの敵はアタシにマカセローにょ!(バリバリ)】
アラニー【了解です!跡形も無く掃除します】
ピコ【まだまだーっ(´∀`)ノそぉぃ】
サクヤ【分かりましたもっと至近距離OKって事ですね】
近衛隊の士気がより一層上がる。

一方デッキ上
アップル『・・・さん!カツヲさん起きてください、お薬効かないのかなぁ・・・仕方ないわ、えいっ(ゴン)』
カツヲ『ギャヒィ!う・・ううんママンもう朝?ここは何処?俺はだあれ?』
ゲイル【イツマデモ ネテルンジャネェヨ ホラ イクゾ】
呪術師達をブレスで焼き払い戻ってきたゲイルがカツヲをひょいと咥え再び戦場へ飛び立った。
カツヲ『まだ頭がボーっとしてんだけど・・あ、血出てるわ。まぁとりあえず暴れればいいんだなぁぁ!』
咥えられたままランスを頭上で回転させようとした為一度空中に放り出されたカツヲだったが
無事背中の鞍に着地しランスを構え直し急降下しながら亡者達の中へ再度突入していく。
ゲイル【コンドハオチルナヨ オチョウシモノ】
カツヲ【オメェに恥はかかせねぇよ】
若き竜騎士を祝福するファンファーレの如く砲撃の音が次々と鳴り響いた。

続く
posted by ラヴ子ママ at 10:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]