2011年02月25日

ある日オカマに訪れる危機 其の四 長い休息

〜リムサ・ロミンサ〜
バデロン『おい!戦況はどうなってる?』
リフト前広場で普段は温厚なバデロンの怒号が響き渡る
臆病なエレゼン呪術士『全員疲れが出てきて、もう持ちません。サクリファ!』
勇敢なララフェル幻術師『MPがそろそろ尽きてきたよ!エーテル!誰かエーテル頂戴!』
まるで軍隊蟻の様に次々と疲労困憊の冒険者達に迫り来る亡者の群れ
誰もがもう諦めかけていたその時・・・
バデロン『おい、なんだ?空から来るあの影は・・・・おい、おおい!こっちに来るぞ』


ブゥゥゥン・・・・ドゴーーーーーン!!


それは轟音と共に敵陣ど真ん中に巨大な丸太が直撃した。
まるで水飛沫の様に吹き飛ぶ亡者達
そして辺り一帯に舞い上がる砂埃の中から黒い人影が何かを叫びながらこちらに向かってくる。

黒い人影『オカマをぉぉぉ舐めんじゃないわよぉぉぉぉ』

ラ ヴ 子 だ。
次々に飛び掛る亡者達を右手の裏拳で吹き飛ばし、左足の蹴撃で蹴り飛ばす
正面に立ちはだかるルガディンの亡者には一回転して両足で首を挟みこみ
渾身のフランケンシュタイナー、そしてそれに巻き込まれて吹き飛ぶ亡者達。
声にならない雄叫びをあげながら止まる事無く敵陣の中を進んで来るその姿はまるで重戦車。

自体が全く理解出来ないまま、凄まじい勢いでこちらに向かってくる黒い塊を
ただ唖然としながらその光景を見ているバデロンと冒険者達。
すぐに気を取り直して戦いを再開するが、その姿は明らかに戦意を取り戻していた。
バデロン『何が来たのかはよく解らんが兎に角敵では無さそうだ、こちらに流れは来ている!畳み掛けろ!』
走り続けるラヴ子に再びルガディンの亡者が今度は2体立ちはだかる
ラヴ子は素早く片方の敵の背後に回り、そして飛びつき様に相手の右腕を抱きかかえそのまま倒れこむ
全体重を乗せて力いっぱい締め上げる、ブチン!とゴムが切れる様な音が鳴り
すかさず次の敵の股下に滑る様に潜り込む、潜り抜ける際に両手で足首を持ちそのまま頭上へ飛び上がる。
空中で逆さになった相手の両脇を足の裏でロックしそのまま全体重を乗せて頭から石畳へ叩き付けた。
そう、これが伝家の宝刀キン肉ドライバーだ。

突然の隕石・・・もといラヴ子の来襲が引き金となり、リフト前の戦況は一気に逆転した。
そして、ようやくバデロン率いる冒険者本隊と合流したラヴ子は現時点での状況を確認し
大男の行方を捜す事にした。そこに1人の傷だらけのミコッテがラヴ子の前に飛び出してきた。
節子『ラヴ子ママ!ラヴ子ママ!』
ラヴ子『節子じゃない、貴方無事だったのね!カズママとおけいちゃんはどうしたの?一緒じゃないの?』
節子『ウッウッウッ・・・・・先輩がぁ先輩がぁぁぁぁうわぁぁぁぁん(号泣)』
ラヴ子『何言ってるのカズママがどうしたのよ!泣いてちゃ解んないわ!しっかりなさい』

〜ラヴ子が到着するしばらく前のロストユー〜
カズママ『フフ。こんだけ多いと流石にキリが無いわねぇ・・・・おけい後ろ!』
おけい『おっとぉアブねー、集中力切れてきたかもしんないなぁ。24時間砂作りよりきついわコレ』
節子『二人とも何でそんなに余裕ぶっこいてるんですか!さっきから敵減った気全然しないんですけど。』
カズママ『それだけとんでも無い数がいるって事じゃないかしらねぇ、絶倫のアタシも驚きよ』
節子『アハ・・アハハハハ』
おけい『笑ってる場合じゃないって・・・・節子危ないっ!!』
節子『え?』
カズママ『!!』
節子を庇いおけいの右肩に深々と刺さる錆びたフランシスカ。
カズママ『おけい!ふんヌッ』
すぐさまその刃を抜き投げつけた亡者に勢い良く投げ返す。倒れる亡者。
そして一度店内へ戻り少しの補給と応急処理をする3人。
おけい『やべぇ、右肩上がんねぇw』
カズママ『・・・・・・節子、ここはいいから地下から逃げなさい。あそこならラヴちゃんとこの奈落かギルド前へ出れるわ』
節子『なっ!いくら先輩でもそれは聞けません!まだ矢もありますし、私のせいでおけいも怪我してるし・・・』
カズママ『黙りなさい!!!アンタ足手纏いなのよ!!このまま居られると迷惑なの、勝てるものも勝てなくなるわ!!』
節子『グッ・・・』
おけい『節子、いいから行けって、まだ俺大丈夫だし。砂付けときゃ何とかなるってw』
節子『ウゥ・・・先輩・・・おけいさん・・・』
カズママ『早くしなさい!馬鹿ネコ!ラヴちゃんとこでも何処でも行っちゃいなさい!』
涙を堪えながら店の奥へ走りだし地下室へ駆け下りていく節子
それを見送るとカズママとおけいは再び戦いの中へ飛び込んだ。



果たしてどれだけの敵を殴り倒したのだろうか
果たしてどれだけの敵を斬りつけたのだろうか
果たしてどれだけの傷を負ったのだろうか
もう考えることすら面倒になってきた。
そして気がつくとその場に立っているのは満身創痍の二人だけだった。
そのまま背中合わせで崩れ落ち、座り込むカズママとおけい

カズママ『終わったわねぇ・・・・』
おけい『あぁ・・・疲れたなぁマジで』
カズママ『おけい、煙草一本くれない?』
おけい『・・えーっと、ぁったあった、ほぃ』
煙草に火を付けてその煙を深く深く吸い込む
カズママ『あぁ・・・やっぱりひと仕事終えた後の、一本は格別ねぇ・・・生きてる・・実感する・・わ』
おけい『・・・そぅだな・・・』
カズママ『眠そうね・・・・?』
ゆっくりと空を見上げる
カズママ『あの子・・・無事に・・ラヴちゃんとこに着いたかしら・・・・馬鹿だから・・・心配だわ・・・。ねぇおけい』
おけい『・・・・・・・』
カズママ『寝ちゃった・・・?フフ・・・アタシもちょっと眠くなって・・・きちゃったわ・・・』
ゆっくりと、とてもゆっくりと目を閉じる。
カズママ『少し、ほんの少しだけ・・・・寝ることに・・・する・・わ』

そして、薄暗い夕闇の中 煙草の火が、消えた。

続く
posted by ラヴ子ママ at 11:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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