2011年02月25日

ある日オカマに訪れる危機 その弐 破壊と亡者

〜ファットドードー〜
ラヴ子『ちょっとりゅーちゃん、さっきのケツアゴの件だけ・・・ど?!何よコレ!!』
その赤い目に飛び込んできたのは、まるでペイストクラスの凶暴なモンスターが暴れた後の様な酷く荒らされた店内
フロアには羽根が散乱し自慢の口バシも折られ傷だらけになったマイケルが
マイケル『グェ・・・グェグ・・グェー・・・・・(パタ)』
そしてトイレ前の洗面所には血だらけのチャロ子が倒れていた。
チャロ子『あ・・あ、マ・・マァ・・ごメんね・・・お・・・留す番チャ・・・んとデキながった・・・ゴフッゲフッ』
ラヴ子『チャロ子!しっかりなさい!』

喋り終わると同時にチャロ子は意識を失い

ハム子『ちょ、これは一体・・・何があったの?』
店内の凄まじい荒れ様と血だらけで倒れている二人(一匹)を見て唖然としていたハム子と
その後ろには昔からいつも一緒に居た仲間の変わり果てた姿を見て呆然と立ち尽くした黒ゴマが居た。

ムーンキーパー特有の雪の様に真っ白だった顔が肌が髪が、今は真っ赤な血と痛々しい痣で見る影を無くしていた。
状況を把握する間も無くすぐにポーションでの治療とケアルの詠唱を始める。
休み無くケアルを掛け続けポーションの在庫も底を尽き掛けた頃、
ようやく意識を取り戻したマイケルからここで一体何が起ったのかを聞いた

ラヴ子がゆっくりと落ち着いた口調で2人にマイケルから聞いた内容を説明した。

アタシが丸太で飛び去ったすぐ後、この状況がかつて無い程の自由だと言う事を
ようやく理解したりゅーちゃんがあまりの嬉しさにサブリガ一丁で
『びっくりするほどユートピア!びっくりするほどユートピア!』
と意味不明な言葉を叫びながら店内を上機嫌で走り回っていると
突然得体の知れない大男が扉を蹴破り店内に入ってきてりゅーちゃんに襲い掛かったらしいの。
彼も剣術師のはしくれ、決して弱い訳では無いが生憎その時はサブリガ一丁
手に持っていたのは何故かマドラー1本のみ。それでも懸命に戦おうとしたんだけど
屈強な大男にマドラーで勝てるはずもなく右フック一撃でカウンターに背中から激突しそのまま意識を失い撃沈。

その様子を見ていて、大男にりゅーちゃんがマドラー構えて立ち向かった瞬間
これは非常事態と判断したマイケルがトイレで寝ているカツヲとチャロ子を起こしに行ったんだけど
幾ら叩いても蹴っても一度寝たチャロ子はなかなか目覚めず、挙句の果てに寝言で
『マーオ、もう砂は食べれな・・・あ、でもクラゲは生で食べれる・・・プニャ』

寝言の内容から早々にチャロ子を諦めたマイケルはすぐに隣の部屋のカツヲの所へ
しかし内側から鍵が掛かっていたらしく、中からはすすり泣く様に自作のポエムを読む声が聞こえるだけ。
こりゃダメだと思いフロアに戻って勇敢にも一匹で立ち向かったらしいんだけど
ラプトル辺りは難なく倒す改造ドードーのマイケルでさえ太刀打ち出来ない強さだったらしく
意味不明な言葉を発しながら殴りかかってくる大男に一方的になすがままだったらしいわ。

その大きな物音にやっと気付き目覚めてきたチャロ子が鉢合わせ。寝起きではっきりしていなかったチャロ子だけど
ネコの野生的本能で瞬時に危険を察知しすぐさま切り返して、トイレの壁に隠してあったビートルボウに矢を番えて振り向いた瞬間


音も立てずに背後に迫った大男から容赦の無い連撃をクリティカルで食らい戦闘不能に。
そしてそのままりゅーちゃんは連れ去られたらしいの。



血だらけだった顔を綺麗に拭いて貰い静かな寝息を立てて横たわっているチャロ子。
そして黒い肌でも解る位泣き腫らした目でその手をじっと握っている黒ゴマ
黒ゴマ『・・・・ムチャクチャだ、何なのソイツ』
ラヴ子『これはお気楽なケツアゴ探しって雰囲気じゃ無さそうねぇ。』
ハム子『ママこれから、どうする気?今聞いた話では尋常じゃないレベルの奴なのは確かよ
りゅーちゃんの事は心配だけど、ここは一度冷静になって対策を考えな・・・』
ハム子の話途中で立ち上がり、破壊された扉からゆっくりと外に出るラヴ子。
ラヴ子『さて夜の食材でも仕入れて来るわ、ハム子悪いけどお店お願いね』
ハム子『ちょっと!どこ行くのよ!はやまっちゃダメよ!ママッ!?・・・・・』

〜ウルダハ国際通り〜
両手一杯に食材を抱えたミルクが前方から歩いてくる。
ミルク『ふんふふんふーん、今日もお客さん一杯くるかなぁ?
あ!ラヴママだぁ!!ラヴマ・・・(ビクッ)』

普段とは明らかに違うドス黒い殺気を纏い、
余りの恐怖に持っている食材を落としてしまったミルクにも気付かず
無言のままゆっくりと冒険者ギルドへ入っていくラヴ子。

〜冒険者ギルド内 クイックサンド〜
活気溢れる若者達の熱気で少し先の景色さえゆらめいて見える店内
バロック調の陽気な音楽が流れあちこちで乾杯や注文の声が聞こえる
普段無口な冒険者にもアルコールが入りいつも以上に饒舌になり
より一掃盛り上がっているテーブルも。

色白のルガディン斧術師『じゃからそのデビレットがのぉ』
双子ララフェル木工師『なるほど、でそこで魔法放題だね!わかります、それでそれで』
双子ララフェル調理師『馬鹿ね、そっからエレメント召還して逃げたのよ、あ海串焼けた!』
色白のルガディン斧術師『かーーっおぬしら全然話聞いてないじゃろう?ウワッハッハ』

その様子が見えているのかいないのか
奥のカウンターで若いエレゼンに優しく冗談交じりで語り掛ける女主人モモディの姿が見える。
そしてこちらに気付いたモモディが会話を中断しこちらにゆっくりした口調で話しかけてきた

モモディ『あらぁ珍しい事もあるものね、貴方がココに来るなんて、ねぇ?』
ラヴ子『挨拶はいいわ、ちょっと調べて欲しい事があるんだけど、いいかしら』
モモディ『貴方がそんな怖い顔してアタシに頼みごとするなんてぇ、よっぽどの事ねぇ』
ラヴ子『時間が無いから手短に話すわ・・・・』

・・・・・・・・・・

モモディ『・・・・・ふぅん、大体事情は解ったわ、ウルダハ内の情報ならすぐ集まってくるけど、三国全てとなるとちょっと時間掛かるわよぉ』
ラヴ子『よくってよ、でも出来るだけ急いで頂戴。アタシはもう一件行くところがあるから、何か解ったらLPで直接連絡して』
モモディ『いいわよぉ、でも貴方、気をつけなさいねぇ何をする気が知らないけどぉ、昔の傭兵時代の顔に戻ってるわよ。可愛いオカマが台無しよぉ』
ラヴ子『・・・・気をつけるわ、じゃぁね』

〜キャンプ・ホライゾン〜
いまにも転びそうになりながら小さい体を出来る限り前のめりにしながらリムサ行きの船着場に向かって走る二つのララフェルの姿があった。
半蔵『で、ロッティ殿、先刻の話間違いでは無いのじゃな?』
ロッティ『ハァハァ・・・あい、この雲の動きはもしかするともしかするのです。間に合えばいいんですけど・・・うあっ』
そしてやっぱり転んだ。
半蔵『なんぞぉぉ?うひゃぁぁぁぁぁ』
そのまま前を走っていた半蔵を巻き込み船着場前の坂道を転げ落ちていく2人のララフェル。

〜ロータノ海沖〜
巨大な湖かと見間違う位、波一つ無い静かな凪の時。
その水面に海中からゆったりと浮かんで来る白い巨体。
それは近づいてくる船の引き波に流されない様、手馴れた手付きでいくつものワカメで体を固定して始めた。
トニ子『さぁそろそろママ達が収穫に来る頃ねぇぇ、今日のオイスターは特別大きいから褒められるかも
キャ!トニ子そろそろ陸上に戻る日も近いわぁぁ!!!ん?あのメッシュ髪はりゅーさん・・・よね?』
波に揺られているトニ子のすぐ横をリムサロミンサ行きの定期船が通過する。
その船首に立ち尽くす得体の知れない大男に担がれてグッタリとしているミッドランダーの男性をトニ子は見覚えがあった。
トニ子『それにしてもあの大男、見ない顔・・・・ママの新しいお友達かしら、トニ子レギュラー落ちの危機?』
海面から見ていたトニ子は気付かなかったが船内にはいつもの定期便では考えられない数の冒険者達が乗っていた。
しかし船内はあまりにも静かであり、何より不自然なのは全員その眼には冒険者達特有の熱気や生気が無く虚ろだった
そう、まるで亡者の様に。

続く
posted by ラヴ子ママ at 11:07| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ふんふんふふぅ〜ん♪
さぁて見直してみるとやはりミルクのこの能天気ぶりにはびっくりしますねw
そろそろアレですよね?覚醒しますよね♪
Posted by みるくん♪ at 2011年02月25日 21:42
ラスボスはユーよ!!(大嘘)
Posted by ラヴ子 at 2011年02月26日 08:43
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