エネルギー資源にとって「質が最も大切」、「量」ではない
つまりグロスでなく、ネットのエネルギーだが、その指標としてエネルギー利益比、つまりEPR:Energy
Profit
Ratioが先ず上げられる。これはエネルギー生産に必要な入力エネルギーと生産されるグロス・エネルギー、つまり出力エネルギーの比
エネルギー利益比:EPR= 出力エネルギー/入力エネルギー
である。これが1.0以上でないとエネルギー資源、エネルギー技術は意味がないことになる。
先ず、各種のエネルギー源についてのEPRを次に示す。
各種エネルギー源とEPR(Energy
Profit Ratio)
EPR:
日本経済新聞2006-7-2(但し、左から二番目の石炭・天然ガスは石炭の誤り)
1)Oil & gas
US
1940s: discovery >
100.0
1970s: production 23.0、discovery 8.0
2)Coal US
(mine
mouth)
1950s: 80.0
1970s: 30.0
3)Oil
shale: 0.7 ~ 13.3
4)Oil
sand: 1.5
5)Coal
liquefaction: 0.5 ~ 8.2
6)Geopressured
gas: 1.0 ~ 5.0
7)Ethanol
(sugarcane): 0.8 ~ 1.7
(corn): 1.3
(corn residues): 0.7 ~ 1.8
8)Methanol
(wood): 2.6
9)Nuclear
Japan:6.7 ~ 17.4 (Amano)
US: 4.0 (Cleveland etal)
10)Geothermal:
4.0
11)Electricity
US Coal average: 9.0
western surface no scrubbers: 6.0
scrubbers: 2.5
12)Hydro
power electricity:
4.0
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EPRのリスト:
石井吉徳2006(C.Clevelad, R.Heinberg,
O.Amanoなどから)
石油生産におけるNet Energyの意味
日本の誤解:EPR、資源の質を考えないと石油280年分となる(石油連盟2006)
EPRが1.0以上であることは、エネルギー問題において絶対的な意味を持つが、文明を支えるにはEPRが10以上が望ましい。余剰のNet
Energy
が文明維持に不可欠だからである。なぜならエネルギーが無ければ「何も動かせず、何も作れない」からである。
海水ウランが資源として無意味なのは、ウランを濃縮するために使われる消費エネルギーが莫大だからである。一般論だが、この濃集こそが資源の本質である。未だに海水は膨大な資源という人が絶えないのは困ったことである。今はリサイクルブーム、ごみは資源、ごみからエネルギー回収ということが多いが、誤った政策論議に陥りやすいので注意が要る。
しかしモノは違う。例えば金属資源では、それがどうしても必要であれば、いくらエネルギーを投じても意味がある。金、プラチナなどが高価でも社会で通用するが、それは貴金属だからで、またダイヤモンドに人々が大金を払うは価値観が違うからである。言い替えれば、必要であれば人は大金を投じると言うことであり、「貨幣で計る価値」とはそのようなことである。
繰り返すが、エネルギーはそうは行かないのである。見かけ上、投じられるのがが金銭であっても、元々どの程度エネルギーが間接、直接に投じられたかが問題である。部分、皮相的に見ては本質が見えないのである。トウモロコシからアルコール燃料を、という自然エネルギー派も注意が要る。それは現代農業は、膨大な石油を使うからであり、食料供給とも真っ向から対立するからである。
近未来社会において、石油ピークは様々な面で深刻な影響を及ぼすと思われるが、先ず交通輸送分野が先ず重大問題である。車、飛行機は石油無しには動かない。いずれ来る石油減退に向け、社会の大変革が必要だが、これにはかなりの年月を要する。
このため、既にオーストラリアでは、「CLIMAXING OIL:HOW
WILL TRANSPORT
ADAPT?」と題したシンポジウムが持たれたことがある。そこで発表された一論文の[Energy
profit ratio]に関する図を次に紹介する。
CLIMAXING OIL:HOW WILL TRANSPORT ADAPT?
BJ Fleay B Eng, M Eng Sc, MIEAust, MAWWA
Associate of the Institute for Science and Technology
Policy
Murdoch University, Western Australia
presented at the:Chartered Institute of Transport in
Australia
National Symposium, Launceston Tasmania 6-7 November
1998
BEYOND OIL:TRANSPORT AND FUEL
FOR THE FUTURE
EROI = Energy
Return On Investment (or: EROIE = Energy Return On Invested
Energy)
The energy that you need to invest in order to
get an amont of energy.
Examples:
Oil extraction. In the beginning of the 20:th century, the
energy investments needed to use the energy of crude oil was
estimated to 1:25, i.e. your gain was 25-fold. Today, the
same figure is estimated (globally) to less than 10, in the
lower 48 to less than three. When the figure goes down to 1,
the oil ceases to be an energy souce. Tar sands are
estimated to give an energy gain of about 1.5, at least the
shallow ones.
The Rabbit limit. If you
live solely of rabbits, you alwys have to invest a cetain
amount of energy in rabbit hunting. This amont can never be
more than the energy content of a rabbit, since you will
lose energy in the activity. You will starve to death, and
faster the more rabbits you catch in that way.
The EROI concept is closely related to the more broad
concept of YPE, Yield Per Effort
Holon Ecosystem consultancy <http://www.holon.se/folke/kurs/logexp/eroi.shtml>
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