隠岐病院(隠岐の島町)で、産婦人科の常勤医が4月から1人増え、2人態勢を取れることになった。同病院は隠岐諸島で唯一出産に対応するが、初産はリスクが高いとして受け入れてなかった。態勢が整うことで、原則として初産にも対応。これまで本土に渡って出産しなければならなかった妊婦の負担軽減につながりそうだ。
同病院は産婦人科医の不在で06年に分娩受け入れを中止。その後、助産師がいる助産科を作って、分娩を再開した。しかし、経過が良くない妊婦や初産の場合は、島を離れて本土の病院で出産していた。
新たに赴任するのは同町出身で県東部に住む男性医師。同病院を運営する隠岐広域連合と県が招いた。
松田和久町長は「家族と離れて島外で出産することに、不安を訴える声がこれまであった。これで少し改善されるが、まだ厳しい状況で安心はできない」と話している。【目野創】
毎日新聞 2011年3月6日 地方版