中東各地で反政府デモが拡大するなか、イラクでも、4日、戦後の復興が進まず、市民生活は苦しくなるばかりだとして、政府への抗議デモが全国各地で行われました。
このうち、首都バグダッドでは、イスラム教の金曜日の礼拝を前に中心部の広場に数千人が集まり、「水がない、電気がない」と叫んで、戦後の復興に取り残された厳しい生活の現状を訴えました。参加した女性は「マリキ首相はこれまでも何もしてくれなかった。これからも何も期待できない」と話し、去年12月に発足したばかりの2期目のマリキ政権を非難しました。イラクでは、先週の金曜日にも各地でデモが発生し、治安部隊と衝突して10人が死亡したほか、デモ隊の一部が暴徒化して、政府の建物に火をつけたり、略奪をしたりして混乱が起きました。このため、マリキ首相は、この日、日中に外出禁止令を出してデモの沈静化にあたったほか、滞る行政サービスの責任を取らせる形で一部の都市の市長を事実上更迭するなど、市民の不満を和らげようとしています。