報道発表資料 [2008年5月掲載]
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〔参考資料2〕

事例1(株式会社ピュア)

 平成19年4月初旬頃、A(80代・女性)は友人から健康食品の話をしている店があるから行ってみようと誘われ、友人と一緒に店に行った。
 店は、自宅から自転車で15分位のところで4〜5階建てビルの1階にあり、入口ドアと窓に「ピュア」と書いた大きなポスターが貼ってあったが、中の様子は外からは見えないため、どのような店なのかはよく分からなかった。
 店に入ると店員から出席カードを渡され、店に来るたびにスタンプを押された。店員は全部で3人おり、店長と呼ばれていた男性のほか、男性1名、女性1名だった。
 店内には4、50個のパイプ椅子が並べられ、部屋の一角がカーテンで仕切られていた。壁際には梅干、蜂蜜、飴、ミリン、調味料等、数百円から数千円程度の食品類だけを陳列している棚はあるが高価な商品は陳列されていなかった。
 店内の客は60歳以上の女性が殆どで、Aが椅子に座り30〜50名程の客が来たところで入口が閉められ、店長が登場した。店長はボード板に様々な資料を貼ったり、商品の効用、専門家の意見などを紹介しながら健康に関する一般的な話や商品の紹介などを1時間半程度説明した。説明が終わると店長は、買いたい人は残るようにと指示し、Aは紹介された商品に興味がなかったので100円を払い、その日の特売品を貰って帰った。話が終わらないと特売品がもらえないので途中で帰る客はいなかった。
 その後もAは非常に安く商品が貰えることに魅力を感じ、ほとんど毎日のように店に通った。
 Aが店に通い始めて2週間程した頃、店長から健康食品の紹介があった。店長は、商品の効用として血管に溜まった油を溶かす効き目があると説明し、続けて血管に似た細い管に油をつけ、その中に健康食品の溶剤を流し込み油がきれいにとれる実験を客の前で行った。Aはすっかり信じきってしまい、購入することにした。
 その後も店に通い、ちょうどその1週間後、店長から膝に効く健康食品の紹介があった。
 店長は商品の効用として「人間は年をとると、膝の水分が不足してきて色々な障害が出てくるが、この商品を飲んでいると、水分の流れが良くなり、その障害を予防することができる」と説明したため、Aは膝の調子も悪かったことから店長の言葉を信じ、購入することにした。
 そして、Aは購入した2種類の健康食品を飲用していたが、5月上旬頃に喉の右側部分が腫れたので飲むのを止めた。Aは購入した健康食品を飲むまでは特に異常がなかったことから、この健康食品が原因であると確信し、業者に騙されたと思い、地元の消費生活センターに相談した。センターの斡旋により未開封の商品を返還し、使用分のみの支払いで解約することになった。
 商品を返還するため店に行ったとき、Bは従業員から「体質であわない人もいるから」と言われたが、勧誘時にそのような話は一切なかった。

事例2(株式会社ホワイティ)

 平成19年3月中旬頃、B(70代、女性)が自宅近くを歩いているとホワイティの顧客らしい女性から「タダみたいに安くていいものを配っているから行ってみたら」と声を掛けられ、ビラを渡された。ビラには店の詳しい内容は書かれておらず、Bは何か売りつけられるのではと危惧したが、安くて良い物を配るということに興味を覚え、その女性に場所を聞き、一人で店に行った。
 店の中に入る際、100円を払い、商品と引き換えができるカードを渡された。店内は客が座るイスがたくさん並べられ、前方には黒板と当日配付される商品がたくさん積み上げられていた。また、壁一面には健康情報が記入された手書きポスターがたくさん貼られ、Bは通常のお店とはちょっと違う印象を持った。店内には店長のほか、男性従業員1名女性の従業員が3名いた。
 しばらくして、店長が前に立ち、黒板を使いながら成人病やガンのことなど健康に関する話を2時間ほど話した後、帰りにカードと交換に、商品を渡された。Bは食料品が安く買えることにとても魅力を感じ、その後も週に2〜3日くらいのペースで店に通った。通い始めて2、3週間くらいは全く商品を紹介することがなかったが、4月中旬頃、店長から初めて健康マットレスの紹介があった。その日は簡単な説明をするだけでいつものように特売品を貰い、店を出た。
 Bは翌日も店に行くと、店長は前日に引き続きマットレスの紹介をした。店長は商品について「これは体にいい、健康にいい」などと説明し、黒板に値段を49万円と書いた後、2回金額を書き直し、「今なら限定30人に限り312,900円にします」などと言った。
 その後Bは、既に28人も契約しているなどと煽られるなどして非常に焦りを感じ、冷静さを失い買うことにした。Bは、申込書に名前などを記入した際、店長から説明されなかったムートン、イオンバスタイムという商品が入っていたので尋ねると「セットになっている。」と説明された。Bは代金を支払うため一旦自宅に帰り、すぐに店に戻って代金を払った。
 その夜、Bはあらためて冷静に考え、解約しようと思い、翌日、地元の消費者センターに相談し、クーリング・オフすることになった。

事例3(株式会社アールエフ)

 平成19年1月、C(50代、女性)の自宅にアール・エフの店のオープンチラシが入っていた。見ると、3斤の食パン、卵、ティッシュなどが100円で買えるなどと書かれていた。Cは、100円で買えることに魅力を感じて店に行くことにした。
 1月末、オープンの日にCは夫(60代、男性)と二人で店に行った。その日は朝10時、午後2時、4時半の3回通い、それぞれ食品を100円で買った。その日は簡単な健康に関する話があったが、健康食品などの話はなかった。
 その後Cは100円でいいものが買えるのと健康の話への興味もあって夫と二人で毎日1回店に通うようになった。
 そして、「燕八歌」という商品について、「中国の奥地にある貴重な燕の巣からできている」「体質を変える」「すべての健康食品の基礎となるもの」などの説明を毎日聞くうちに、C夫婦はとても魅力に感じるようになり、2月初旬に初めて購入申込をした。
 店長や外部講師が話をする際には、消費者は、必ずテレビの健康番組などを短く編集したビデオなどを見せられた。それらに加え、肝臓などのチェックをさせられた。C夫婦は、それらのチェック項目にたくさん当てはまっては不安に駆られたり、手をかざす機械で血流のチェックをさせられるなどしては、「絶対に肝臓の機能が弱っている」などと言われ、ドキッとしたりした。それに畳み掛けるように店長らは、「肝臓はものを言わない臓器です。分かったときには癌で手遅れになってしまう」「医者は患者を長く病院にかからせて逃さないようにするため、完治させない」などと言い、さらに夫婦を不安に陥れた。そして、必ずその後に例えばブルーベリーは「目に良い」、ロイヤルバイオは「血圧が下がった」、シュウエルクリアは「腎臓に良い」、などと他の会員などの体験談を交えて商品の説明がされるのであった。
 1商品について1人くらい外部の講師が来て話をした。「シュウエルクリア」という商品の紹介の時には、医学博士の先生が来て腎臓の話をしたり、その他、日本癌予防研究学会会員で医事ジャーナリストという人、健康予防学会の人などが来て話をしたりした。このような段階を経て、C夫婦はいつのまにか紹介される商品がまるで薬のように病気を予防したり、治療したりしてくれるものと信じるようになっていった。
 このようにして、夫婦は店が休みの日曜日や旅行に出かけた日を除いて毎日店に通い詰め、5月末頃までの間に店長らに勧められるまま、健康食品や布団、パジャマ、ネックレス、空気清浄機、ゲルマネックレス、化粧品など計17種類程を買い、380万円以上のお金を使った。
 また、健康食品などは1本だけで売ってはくれず、必ずまとめて売られた。まとめて買うと必ずプレゼント分が追加されとても得になるため、C夫婦はいつも疑いもなく1年分ほどをまとめ買いしていた。なかには2年分を夫婦それぞれ購入した商品もあった。
 その後C夫婦は、地元の消費生活センターに相談し、未開封の健康食品等を返品しその分の返金を受けた。

事例4(株式会社ダイユー)

 平成18年2月下旬、D(60代・女性)は、郵便受けに入っていたチラシを見た友人から、「タダで米などがもらえるから行こう」と誘われ、会場に出向いた。
 会場は、空き店舗を貸し切っており相当広く、紅白の幕が張ってあった。すでに40〜50名の年配者が集まっていた。ダイユーの従業員は10名ほどいた。その日は2回通って、米(1キロ)を3袋もらった。
 2日後にまた出向くと、鯵、味噌、そば、ラーメンなどの食料品、鍋、包丁などの台所用品数点をもらった。その後も店に通うと、従業員から健康についての話があり、その際ポットに入れた高麗人参エキス入りの飲み物を紙コップに入れて参加者に飲ませていた。また、国立大学の先生という人が、「飲むと動けなかった人が動けるようになった」という話をした。その当時、血圧、コレステロールが高く、健康には特に敏感になっていたDは、従業員から「今キャンペーン価格で3万円だ」とせかされ、そんなにいい物ならと思い、試しに紅蔘液(100グラム)1本31,000円を買うことにした。
 その後も通うたびに、従業員から「糖尿病が治る、体の基本が治り病気も治る」などと商品に関する話を聞かされた。また、健康診断書を持って来るように言われ、持って行くと従業員から「コレステロールが高いがこれも治る。医師の薬は効かないし、体に蓄積される」などと言って会社の商品を勧められた。
 Dがその後も店に通うと従業員の話し方もだんだん強くなり、「紅蔘液を買わない人には、無料商品はあげない」といって外に追い出し、買えそうな人を選別していた。
 2月下旬、Dは、従業員から「来年になると通信販売をするので価格が上がる。1年飲めば治る」と契約を迫られ、「高いし払えない」と言うと、「36回のローンがあるから大丈夫、残りはわずか」と言ってせかされ、白紙の申込書に仕方なく署名させられた。購入商品は、紅蔘液(400グラム)7本840,000円、消費税42,000円、分割手数料を含めると合計金額100万円を超えていた。
 その後、地元の消費生活センターに相談して解約した。

事例5(株式会社ヘルシーライフ)

 平成18年10月初旬頃、E(70代、女性)は近所の八百屋に買い物に行く途中、突然、男性に呼び止められ「今日はいらした方にパンを差し上げていますので是非どうぞ。」と誘われた。Aはちょうどパンを買おうと思っていたので、その男性に案内されて一緒に店に行った。
 店は声を掛けられたところから2分くらいのところにあった。店内は12畳くらいの広さで、50人くらいが座れる椅子が並べてあった。前にはホワイトボードがあり健康について書いた大きな紙が貼られていた。壁際には卵やマヨネーズ、しょうゆなどの食料品類が陳列されていたが、値札もついていないため、スーパーなどの店とは少し違う感じであった。
 この日は既に説明会は終了していた。Eはパンを無料で貰い帰ろうとすると、従業員から「いらっしゃると毎日何か差し上げていますのでまた話を聞きに来て下さい。」と言われた。
 その後、Eは、健康でいたい気持ちからいろいろと健康に関する話を聞こうと店に通うことにした。毎回20人から50人くらいの年配者ばかりの客が来ていた。店長が登場し説明が始まると、入口が閉められ入口前には従業員が立っているので、とても帰りづらい状況であった。
 主に説明は店長が行い、前半は身近な食品の効能や体のしくみなどを話し、後半に高額な健康食品の説明をおよそ1時間半行っていた。店長は推奨する高額な健康食品について「免疫力を高める。」、「細胞を活性化させる。」などの効能を話しながら2、3日に渡って話が終結するように説明するため、Dはしばらくの間、話を連続的に聞いて、当日の特売品だけを貰って帰っていた。
 10月下旬頃、いつものように店に行くと、店長から腰痛に効くという健康食品の紹介があった。店長の話はとても面白く続きも聞きたくなったEは、翌日も店に行った。店長はそのときに初めて商品の値段を話し、Dは高いなと思ったが、店長は商品を積み上げながら「1箱で買うと○円ですが、今まとめて○箱買えば○箱サービスとして付くので1箱当たり○円とお安くなります」などと言葉巧みに説明するので、Eは得な気になり、また、今まで無料でいろいろなものをもらっていたこともあって、買うことにした。
 Eは、店長の話が上手で話を聞いただけで健康になれるような気になり、その後も殆ど毎日のように店に通った。毎回、店長から高額な健康食品などを勧誘され、何度か断ったこともあったが、従業員から「デパートなどで買うより安い」などと言って執拗に勧められ、たいして欲しいものでもなかったが結局根負けし、次々とローヤルゼリー、プロポリス、磁気マット、風呂に入れる器具など2ヶ月間で160万円計17点以上の契約をした。
 その後、Eは購入した数種類の健康食品を毎日飲用していたが、1月初旬頃から徐々に体調が悪くなり、寝込むようになってしまった。2月初旬頃に血圧を計ると低血圧だったのが逆に高血圧になっていた。Eはびっくりして購入した商品を持って地元の保健所に相談したところ、地元の消費者センターを紹介され、消費者センターの斡旋により未開封の商品を返還し、解約することになった。

事例6(株式会社ビックジョイ)

 平成17年12月中旬頃、F(70代、女性)は、知人から「100円でお土産が貰えて、健康に良い話が聞ける」と誘われ、知人と一緒に初めて店に行った。店は、雑居ビルの2階にあった。特に目立った看板はなく、入口ドアにビックジョイと書かれた紙が貼られている程度で、外からは何の店なのかは良く分からず、一般人が自由に出入りするような場所ではなかった。
 店の中は、20坪程の広さの会議室のような感じで、パイプ椅子が4〜50個並べられていた。前面には「ビックジョイ」と書かれた横断幕が貼られたホワイトボードが置かれ、壁には健康食品のポスターが多数貼ってあった。部屋の一角にのど飴、梅干、そば茶等の日用食品が陳列されていたが、価格は掲示されておらず、スーパーなどの店とは明らかに違う雰囲気であった。
 Fは、入口で男性従業員に100円を払い、醤油などのお土産を貰い、席に座った。
 店内には支店長の他、男性従業員2名の計3名がおり、しばらくして席が満席になったため入口が閉められた。店内にいた客はほとんどが60歳を過ぎた女性であった。
 最初に、男性従業員が客の前に立ち、ホワイトボードの横断幕を指差しながら「この店はなんと言う名前ですか」と質問を繰り返し、そのつど全員で「ビックジョイ」と会社名を唱和させられ、一種異様な雰囲気となった。
 唱和が終わると支店長が登場し、およそ1時間「そばの健康食品」に関する話をした。その中で支店長は、自社の商品について「血液がサラサラになる、高血圧に良い」「健康に良いので将来病院が使うようになる。病院で使うようになると値段が高くなり、一般には売り出せない」「当店のニガソバは中国の1500メートル以上の高山でしかとれない、皆ニガソバで長生きしている」など商品の効用について説明したが値段についての話はなかった。
 その後もお土産に魅力を感じたFは3、4回店に行った。毎回入口で100円を払い、お土産を貰い、1時間支店長の話を聞いて帰っていた。徐々に支店長は、大学の先生や病院の先生の名前を出したり、「1カ月6万円、半年分買うと安くなり、1年分だともっと安くなる、1年分で70万円位はローンを組めばたいしたことない」などと言って商品を買うよう勧めるようになった。
 12月下旬頃、Fはいつものように店に行った。入口で100円を払ったがお土産は貰えず、その代わりに男性従業員から36番と書いた紙を渡され、座る場所も指示された。しばらくすると中国人の女医がミシンのような機械を持ってきて、血管を映し出す機械であると説明した上で、続いて「血管がつまると脳梗塞、高脂血しょう、心筋梗塞になる」などの話しをした。その後、支店長が登場し、ホワイトボードに写真を貼り、「これが正常な人のつまっていない血管です。」などと正常な血管と正常でない血管の違いを説明した。
 そして、ひととおり説明が終わり、女医による検査が始まった。Fの順番になり、機械に薬指をかざして調べてもらったところ、女医から「少しつまっています」と言われたが、Fの前に検査した人で「正常です」と言われた人は一人もいなかった。

事例7(株式会社メビウス)

 平成18年5月初旬頃、G(70代、男性)は、近所の人から「おいしい物を安く売っている店がある」と誘われて、初めて店に行った。店は雑居ビルの2階で、店の中にはパイプ椅子が30〜40個位並べられていた。左側の壁際に蜂蜜、梅干、ラーメン等の食料品がそれぞれ数個ずつ置かれた棚があったが、Gが店にいたときに棚の商品を購入した人は殆どいなかった。その反対側の壁の前には説明用のボードと机が置いてあった。店には、店長、男性店員1名、女性店員2名の、計4名がいた。参加者は毎回20名位でほとんどが60歳以上の高齢者だった。Gは5月中に20回位この店へ行った。
 席に座りしばらくすると、入り口が閉められ、店長が登場した。会社の説明をした後、客の前で白板などにいろいろと記入しながら、健康に関する話や推奨品などを身振り手振りおよそ1時間30分程度話した。その日の特売品は話が終わった後に配られるため、途中で帰る人はいなかった。
 Gがいつものように店に行ったとき、店長から「土鍋」を紹介された。土鍋は鉄分が多いと言い、アルミ鍋やホーロー鍋の害や添加物の害について、専門家の研究資料をボードに貼りながら説明して健康不安を煽った後、土鍋は、それらの害が防げると説明するため、Gはすっかり信じ込んでしまった。Gはこんなに体に良いものならと思い購入することにした。
 その後もGは店に通っていたが、5月中旬頃、店長から浄水器を紹介された。
 店長は浄水器の効果について、病気になり易い体質の原因を取り除く効果があり、厚生省もその効用を認めているなどと説明した。さらに店長は実際に浄水器の水と他の水について、試薬による比較実験を目の前で行うので、Gはすっかり信じ込んでしまった。
 そして、店長は水道水について専門家の資料を示しながら、水道水は身体に良くない上に癌になり易い体質となる、水道水で野菜を洗うとビタミンCが無くなるなどと説明した上で、この浄水器を通した水を使えば癌体質も防げるし、野菜を洗ってもビタミンCが無くならないなどと言って勧め、さらに限定50台などと煽った。
 Gは、早く申し込まないとなくなってしまうと思い購入することにした。
 その日の夕方、業者が浄水器を取り付けてくれた。Gは、浄水器を近所に住む家族にも買ってやろうと思い、翌日、店に行き2台を追加申し込みした。合計3台で総額が80万円を超えたので、Gは、クレジット一括払いにした。
 Gは、家族に浄水器を3台買ったことを話したところ反対され、地元の消費者センターに相談することにした。そして、相談員のアドバイスでクーリング・オフをすることになった。