政治【産経抄】3月6日2011.3.6 03:03

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【産経抄】
3月6日

2011.3.6 03:03

 松本清張の小説『砂の器』では一枚の写真が事件のカギを握っている。三重県伊勢市の映画館主が敬愛する同郷の政治家一家と一緒に写ったものである。それを引き伸ばし、自分が経営する映画館の壁に展示していたことから…。

 ▼ミステリーだからそれ以上は書けないが、この映画館主に限らず、政治家と写真に納まるのがお好きな人は多い。相手が著名であればあるほど、自らの社会的地位が上がると思うのだろう。パーティーの会場などで引っ張りだこになっている「人気政治家」をよく見かける。

 ▼前原誠司外相に違法献金をしていた在日韓国人の女性(72)も大臣室で前原氏と写真を撮っていたそうだ。外相によれば、中学生の頃からの知り合いだという。女性とすれば「前原少年」が次の首相候補になるほど「出世」したのがうれしくて押しかけたのかもしれない。

 ▼だがこの献金問題はそんな「美談」ではすまされない。政治資金規正法は外国人や外国企業から政治家への献金を禁じている。たとえ善意の献金であっても、そこから政治、とりわけ領土問題など外交に外国勢力が介入するのを防ぐためだ。

 ▼民主党代表までつとめた前原氏が、そんなことを知らないわけはない。だが国会で追及した自民党の西田昌司議員によれば、献金は少なくとも4年間で20万円に上るという。事実なら完全な「確信犯」と言える。一国の外交責任者としても失格である。

 ▼学生時代の友人の選挙を応援したことがある知人は当選の日、心に決めた。これから相手は公人であり、それまでの私的な友人付き合いとは一線を画そうとしたのだという。そんな公私の区別もつけられないような政治家に首相を狙う資格はない。

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