漢検、池坊保子理事長を“解任”　協会内の対立は否定

　日本漢字能力検定協会（京都市）は５日、臨時理事会を開き、衆院議員の池坊保子理事長（６８）の任期途中の辞任と、高坂節三専務理事（７４）の理事長就任を発表した。いずれも同日付で、池坊氏は事実上の解任とみられる。

　池坊氏は元理事長らによる背任事件の後、昨年４月に鬼追明夫氏から理事長職を引き継いだ。４日に都内で記者団に対し「辞めさせられるべき理由はない」と述べ、訴訟を検討する意向を表明していた。

　一方、高坂氏は理事会後の記者会見で「池坊氏が国会議員として多忙のため」と説明。池坊氏の協会運営に関しては「協会内で反発や対立はない」と話した。

　理事会は理事長と理事８人で構成され、決定には過半数の賛成が必要。５日は理事６人が出席（うち１人は委任状委託）し、全員が理事長交代に賛同した。池坊氏は欠席し、残りの理事２人は棄権した。

　高坂氏は京都市出身。栗田工業（東京）の会長を経て、２００９年５月から同協会理事、１０年４月から専務理事。前原誠司外相の「まえはら誠司東京後援会」会長も務めている。