国内で唯一、WADA=世界アンチ・ドーピング機構に公認されている民間のドーピング検査施設が、このほど改修を終え、新しい施設と最新の設備が3日に公開されました。
東京・板橋区の三菱化学メディエンスのドーピング検査施設は、国内で唯一、WADAから公認されたドーピング検査施設です。公認されて以来、これまで、1998年の長野オリンピック、2002年に日本と韓国が共同で開催したサッカーのワールドカップなど、国内で行われた多くの国際大会でドーピング検査の実績があります。今回の改修では、年々巧妙化するドーピングの現状に対応しようと、最新鋭の分析機器を増やし、検査施設の面積がこれまでの2.5倍に拡大されました。特に、最近では、禁止薬物を検出されにくくするため、▽人の体内にもともと存在するホルモンをベースに使うケースや、▽禁止薬物の分子構造を人工的に変えたデザイナードラッグと呼ばれるものが使用されるケースが増えているため、これに対応し、分子レベルまで解析できる最新鋭の分析機器が導入されています。三菱化学メディエンスの吉富敏彦社長は「この施設の使用で、オリンピッククラスの国際大会での検体処理に充分対応できると思う」と話していました。この施設は今月から本格的に運用が始まっています。