放送:日曜 6時45分〜7時25分(ラジオ第2)
再放送:翌週の日曜 13時20分〜14時00分(ラジオ第2)
<ねらい>
映画は映画作家の個性によって、さまざまな趣を持つ。それは映画作家の生い立ちや考え方が作品に影響し、投影されるからであるが、だからこそ、各自によって人間の心の描き方にも相違があり、多様な世界観が生まれるといえる。今回は、そんな映画作家の生き様はもとより、その作品に描かれた登場人物の心のかっとうを通して、人間の心理に奥深く迫り、ときに頑固で、ときに移ろいやすい、人間の複雑な心の綾を多角的に読み解きたい。
<内容>
映画評論の第一人者である佐藤氏が、映画の魅力を紹介するシリーズ。今回は12人の映画作家にスポットを当てる。例えば、ミステリーの巨匠アルフレッド・ヒッチコックは、一人の人間を、あるときは顔のクローズアップで、あるときは職場や家庭にいる全体の姿で … と、さまざまな距離や角度から撮って見せることで、その人物の人間像や行動、社会的な立場などを浮き彫りにしていた。その巧みな演出法が見る側の想像力をかき立て、意外な視点からものを見せることにも成功していたといえるでしょう。このように、映画の世界を通して人間の心模様を考えます。
放送日 | 再放送日 | 内容 | |
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第1回 | 1/9 | 1/16 | ジョン・フォード |
第2回 | 1/16 | 1/23 | ウィリアム・ワイラー |
第3回 | 1/23 | 1/30 | アルフレッド・ヒッチコック |
第4回 | 1/30 | 2/6 | オーソン・ウェルズ |
第5回 | 2/6 | 2/13 | フレッド・アステアとジーン・ケリー |
第6回 | 2/13 | 2/20 | マルセル・カルネ |
第7回 | 2/20 | 2/27 | デヴィッド・リーン |
第8回 | 2/27 | 3/6 | フェデリコ・フェリーニ |
第9回 | 3/6 | 3/13 | イングマール・ベルイマン |
第10回 | 3/13 | 3/20 | サタジット・レイ |
第11回 | 3/20 | 3/27 | イム・グォンテク |
第12回 | 3/27 | 4/3 | ウスマン・センベーヌ |
佐藤 忠男(さとう ただお)
・1930年、新潟市生まれ(81才)、戦時中は海軍飛行予科練習生として学ぶ。
・戦後、国鉄や電電公社の勤務を経て、雑誌「映画評論」「思想の科学」の編集長を務める。
・1962年、映画評論家として独立。
・1996年、日本映画学校の校長に就任(2011年4月より日本映画大学の学長)。
・紫綬褒章、勲四等旭日小綬章・芸術選奨文部大臣賞・京都新聞大賞文化学術賞、韓国王冠文化勲章・フランス芸術文化勲章シュバリエ章などを受賞。
・主な著書は「映画でわかる世界と日本」「映画の真実 スクリーンは何を映してきたか」など。