5日午後0時20分ごろ、福岡市中央区薬院4丁目、西部ガス(福岡市博多区)社長の田中優次さん(63)の家族が、福岡中央署に「自宅前に不審物が置いてある」と届け出た。現場に駆け付けた同署員が、玄関と門扉の間で手りゅう弾のような形状の鉄の塊1個(直径10センチ、長さ15センチ)を確認した。
同署は、爆発の恐れがあるとして、周辺の道路を封鎖し、近隣住民に福岡市九電体育館前の広場への避難を呼びかけている。また午後2時現在、爆発はしておらず、けが人はいないもよう。
西部ガスによると、田中社長は外出中だった。
田中社長宅は、市営地下鉄の薬院大通駅に近い閑静な住宅街にある。
同社をめぐっては、2007年2月、北九州支社が入居予定だった北九州市小倉北区のビルと、本社が入る福岡市博多区のビルへ発砲事件があり、昨年4月にも同市東区の同社関連ビルと、同市南区の専務宅が相次ぎ発砲された。
同社が北九州市若松区に建設している液化天然ガス(LNG)の大型基地に絡み、当時、特定の大手ゼネコンを名指しして「(ここを)また使うのか。使えば、西部ガスに危害を及ぼすぞ」と書かれた銃弾入りの脅迫文も同社に届いていた。
=2011/03/05付 西日本新聞夕刊=