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電波的な彼女 アニメDVD発売決定! 予約受付中!
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電波的な彼女 電波的な彼女
電波的な彼女
片山憲太郎 イラスト/山本ヤマト
定価660円(税込)
見知らぬ少女から誓われた忠誠……
ケンカ上等の不良少年・柔沢ジュウは、突然見知らぬ少女に忠誠を誓われた。電波系の彼女・堕花雨の奇妙な言動にジュウは戸惑う。さらにクラスの人気者・如月美夜を加え、ジュウは振り回される一方。ある時、連続通り魔殺人の現場に居合わせたジュウは、雨が怪しいと疑い始める。
モノクロ  言ってるんだ、という間もなく、少女はいきなりジュウの足元に片膝をついた。
 ジュウの認識では、そうした行動は気分が悪くなったときに取るもの。
 緊張しすぎて体調を崩した、とか?
 一応背中でもさすってやるべきだろうか、と思っていると、少女はその体勢のままジュウを見上げ、口を開いた。
「我が身はあなたの領土。我が心はあなたの奴隷。我が王、柔沢ジュウ様。あなたに永遠の忠誠を誓います」
 唖然とするジュウの足に顔を寄せると、少女はスニーカーのつま先の部分に唇をつけた。

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電波的な彼女 電波的な彼女
電波的な彼女 〜愚か者の選択〜
片山憲太郎 イラスト/山本ヤマト
定価600円(税込)
忠誠を誓う電波少女VS恋人候補!?
知り合ったばかりの幼い少女が “えぐり魔”の餌食になってしまった。憤りを感じ、犯人を捜し始めるジュウ。お供には自称ジュウのしもべである雨、ではなく、その友人・雪姫が。彼女もまた雨に劣らず不思議な雰囲気を持ち、ジュウを翻弄していく。驚愕の事件の真相に、ジュウはどうすることもできないのか?
モノクロ そこらの素人が力任せにナイフを振り回すのとは、次元が違う。
「なるほど、悪くない。では本気でやろう」
 少女は無表情で宣告。アスファルトを踏む下駄から足音がしないのは、本物の歩法を身につけている証拠だろうか。
 こんな奴に、素手でどう対抗すればいい?
 焦りで塗り潰されそうになるジュウの意識の片隅で、何かが閃いた。
 「そう怯えるな。一瞬で済む」
 少女は前進。その細い腕が、ジュウの動体視力を超える速度で伸びた。
 しかし、ジュウは動かなかった。怯えて動けないわけでも、混乱して動けないわけでも、自暴自棄になったわけでもなく、自分で動かないことを選んだ。
 少女の刃は、ジュウの喉に突き刺さる寸前でピタリと止められた。

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電波的な彼女 電波的な彼女
電波的な彼女 〜幸福ゲーム〜
片山憲太郎 イラスト/山本ヤマト
定価650円(税込)
ターゲットにされたジュウ、犯人の目的は!?
些細な嫌がらせも、積み重なると苦痛になる。人に恨まれる心当たりのあるジュウはあまり気にせずやり過ごしていたが、ついに限界に達し、雨をつれて犯人探しを始める。人の弱さが歪んだ強さに変わる恐怖、犯人の行動理念に驚かされる! 電波系サスペンス第3弾!!
モノクロ 「ま、待ちなさい! 彼は痴漢の現行犯なんだよ!」
「何勝手に連れてってんだよ、おまえ!」
光は、それらをただの雑音のように受け流し、己の考えのみを主張した。
「彼が痴漢するなんて、あり得ません。彼が痴漢なんてするわけないんです。だって、あたし、彼をちゃんと満足させてるもの」
それを聞いた駅員が、若者が、それどころか野次馬の中にいる男たちまでもが思わず顔を赤くしたのは、光が健康的な美しさに溢れる「女」以外の何者でもないことに、改めて気づいたからだろう。そんな彼女の口から今のような発言をされては、男なら誰でも妙な想像を喚起させられてしまう。
「あ、あなた、ふざけんじゃないわよ! だいたい変じゃない、偶然こんな場所に恋人が来るなんて! あなた、ウソついてるのよ!」
 それに対して光は、最も効果的で、視覚的にも説得力のある方法を実行した。
 ジュウの顔を両手で掴み、何か言いたそうにしているその唇を、自分の唇で封じたのだ。
場が静寂に包まれる十数秒。
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(C) 山本ヤマト/集英社

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