事件【産経抄】3月5日2011.3.5 02:49

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【産経抄】
3月5日

2011.3.5 02:49

 40年近くも前になるが昭和47年は、あさま山荘立てこもりやイスラエルのテルアビブ空港襲撃など、過激派による衝撃的事件が立て続けに起きた。そのころ大忙しだったのが京都府警だ。事件を起こした者の多くが京大など京都の大学の学生か出身者だったからである。

 ▼彼らの名前が浮かぶたびに警察庁やマスコミから問い合わせが殺到するのだが、公安担当の捜査員の応答は的確だった。中には各過激派の「思想」の細かな違いまで解説してくれるベテランもいた。妙にアカデミックな雰囲気さえ感じたものだ。

 ▼そんな伝統が生きているのか、京都府警のハイテク犯罪の捜査には定評があるという。専門のスタッフがいて、これまでもメールによる犯罪を摘発した実績を持つ。今回の携帯電話を使った「カンニング」で予備校生を割り出したのも、得意のハイテク捜査だったらしい。

 ▼試験中にインターネットの質問サイトに投稿して正解を得るとは、抄子などには考えもつかない手口だ。だが大学の被害相談を受け、あっという間にその携帯にたどりついたのも驚きだ。間違いなく同様の犯罪に対する「抑止力」となるだろう。

 ▼失礼ながら、久しぶりに警察力が頼もしくみえた。その日本の警察官数だが、昨日の鳥居民氏の「正論」によれば人口10万人に200人前後である。世界トップはイタリアで550人だが、人数を公表していない中国は、少なくみてもイタリアの倍に上るという。

 ▼しかも昨年、政府には120万人の増員要求があった。むろん一般犯罪の増加もあるだろうが、主な狙いが民主化要求などに対する治安維持にあることは間違いないだろう。こちらは頼もしいどころか、薄気味が悪い。

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