2003年の松山市発注の公共工事で、元市職員と建設業者が会社を設立して工事を請け負い、代金を水増し請求した疑いがあることが分かり、市が調査に乗り出しました。水増し請求の疑いがもたれているのは、2005年8月に入札があった、松山市大可賀の雨水排水ポンプ場の機械設備工事です。入札では、予定価格5億4673万5000円に対し、5億2290万円で県外の大手メーカーが落札し、松山市内の会社が下請け、孫請けしました。関係者によりますと、孫請け会社の設立に元市職員が関与し、入札から2ヵ月後に2000万円が工事の前払い金として下請けから孫請けに渡ったものの、工事費用には使われず、代金を水増しして請求した疑いがもたれています。指摘を受けた市は、関係資料の調査に入っています。野志松山市長は、「今関係書類の確認を早急に行うよう指示をしている。現在調査中ですので、すべてのことがはっきりしてから、ということにさせていただきたい」と話しています。また、当時、松山市長だった中村知事は市長就任当時、下水道工事に職員OBの関与も含め問題があり、OBからの影響排除などの対策をとっていたと述べました。そして、「正直言って下請けから孫請けになると、どういう状況が生まれてるかそこまでは分からないというのが実態」と話しました。水増しされた代金の市の裏金化や自身の政治資金化などは、重ねて否定しました。このほかの市発注の工事でも不正を指摘する声があり、全容解明が急がれます。 |