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松山市で裏金疑惑の指摘 (2011-03-04・16:49)

 

 松山市が発注した雨水排水ポンプ場のポンプ設置工事に絡み、下請け業者や松山市の元職員らが工事代金から裏金を捻出していたのではないかとの指摘が寄せられ、松山市は真相解明に向けて調査に乗り出しました。
 裏金の捻出が指摘されているのは、松山市下水道施設課が発注した大可賀雨水排水ポンプ場の排水用ポンプ設置工事です。松山市によりますと工事の入札は2003年8月、8つの業者が参加して一般競争入札の方式で行われ、県外の大手機械メーカーが5億2290万円で落札しました。この工事の請負契約をめぐって、下請け業者や松山市の元職員らが工事代金から2000万円を裏金して捻出し、政治資金に流用したのではないかとの指摘が4日までに松山市下水道部に寄せられました。工事を落札した元請け業者は下請け業者と契約した際、建設業法に基づき業者名や契約金額、業務内容などを書面で市に提出するよう定められています。松山市では今回の工事の書類には不備はなかったとしながらも当時の書類を見直すなど真相解明に向けて調査に乗り出しました。松山市の野志克仁市長は「これについては確かに担当部から報告を受けている。今、関係書類の確認を早急に行うよう指示をしている。現在調査中なので、全てのことがはっきりしてからというふうにさせていただきたい」と語りました。一方、工事の入札当時、松山市長を務めていた中村知事と助役を務めていた稲葉副市長はいずれも「知らない」としています。中村時広知事は「どういう業者が取った(受注した)のか、というのを見せてもらったんですけど、すべての会社、誰一人として知りませんから」と述べました。また、稲葉副市長は「中身についてはまだ詳しく聞いていないので、今コメントする時期じゃないと。私がまだ中身を知ってないので、お答えする中身がございませんので」と語りました。その上で中村知事は、今回浮上した裏金疑惑の指摘について、徹底した調査の必要性を挙げています。中村知事は「正直言って下請けからまた孫請けになるとどういう状況が生まれているか、そこまではわからないのが実態であります。何が真実かというのは今の段階ではわかりません。しかし、そうした目の届かない所でこうしたような行為がもし行われているとするならば徹底的にあぶり出すと必要なんじゃないかな」と述べました。一方、裏金捻出の指摘について工事を落札した大手機械メーカーは「そうした情報は確認していない。今後、調査をする予定もない」とコメントしています。

 
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