ハミ出し東スポ

最新の記事 一覧

紙面に掲載しきれなかった特ネタ満載!あの人気企画&特集、WEB独自のネタも出しちゃいます。

「順席」呼称問題を追跡

2011年03月04日
スポーツ

関連キーワード :相撲

【相撲】大相撲の八百長問題が思わぬところにまで波及した。日本相撲協会は2月28日、初場所の成績に基づいて編成された全力士の序列表を各部屋に配布した。今回は「番付」という表現を避けて耳慣れない「順席」で表記されたのは、なぜなのか? 相撲界で持ち上がった番付をめぐる「呼称問題」を追跡した。

 当初は春場所番付発表が予定されていた28日、各部屋には給与などの待遇を反映するための全力士の序列表が配布された。報道陣にも十両以上の表が配布されたが、名称は「平成二十三年一月場所成績による順席(参考資料)」。通常の場所前に発表される「番付」ではないことが強調されていた。
 放駒理事長(63=元大関魁傑)は「番付ではない。番付というのは、ファンの人たちに対して出すものだから」と説明。番付発表は本場所開催前のファンへの「お披露目」の意味合いがあり、春場所を中止にした以上は別の表現を使うことにした…というわけだ。
 それにしても、なぜ「順席」という耳慣れない言葉が使われたのか。調べてみると「広辞苑」など主な国語辞典には載っていない言葉で、ヤフー辞書で検索しても「ある順序に従って定めた席」(日本国語大辞典)との説明が見つかるのみ。ちなみに、江戸時代の大名の序列や席順を差す言葉として「順席」が用いられていたとの学説もあるが、相撲との直接的な関係はない。
 相撲協会の広報部によれば「いろいろ考えたんですが、なかなかいい言葉がなかった。逆に、いい言葉があれば教えてほしい。『ランキング』や『順番』というのは軽い感じがするし『格付け』というのも、違う気がする。相撲界の中では『順席』という言葉が一番、しっくりくるんです」。相撲界では、番付により決める巡業の宿舎割り当てや、バス移動の席順を決める際などに「順席」を使用していたこともあり、今回の採用に至ったようだ。
 一般の相撲ファンにしてみれば「番付でも順席でも、どっちでもいい」というレベルの話だが、妙なところにこだわりを見せる相撲協会。この調子では、八百長問題の全容解明など、まだ先になりそうだ。

この記事をブックマークする Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに投稿 newsingに投稿 Choixにブックマーク イザ!にブックマーク twitterでつぶやく

一覧を見る

このページのトップへ