ナチュラルグループ本社(NG本社)は事実上倒産したにもかかわらず、いまだに往生際の悪さを見せている。
既報のとおり、3月1日に開催された債権者説明会では債権者の質問に対して銀行からの借り入れがないことを理由に「倒産・破産、民事再生の申請はやらない」と宣言していたが、どう片意地張ったところで銀行取引を停止された会社が社会的に経営破たんしているという事実は動かしようがない。それは複数の調査会社が、倒産情報として発信している実情に照らしても明らかだろう。
当日のNG本社側の発表では、会社が有しているブラジル酵素が2,600トン、会員から預かっている同品が2,400トンで、会員へ償還できなかった分が240トン残っているとしている。未償還金は解約も含めて10億円あり、ほかに2億円分の給与と、社会保険料や住民税、労働保険料、消費税など諸々の未払い金を合計した債務が9億5,400万円に及んでいることを明らかにした。未決済の手形が5億円、手形以外の買掛金が7億円あるという。2010年10月期の決算では64億円強の負債があるが、現在どれくらいあるかについて同社からの明確な回答はない。しかも、ブラジル酵素の償還期限は毎月のように容赦なく訪れる。
今後アニューは、前回紹介したアニュー運動推進有限責任事業組合を通じて商品を仕入れ、その売上とアニューの商標登録の使用料をNG本社の債務返済に充てる。ただし昨年7月まで12億円強あった売上も今年の1月には6億円台にまで落ち込んでいるのが実情。28日までに具体策を出すと説明することで何とか説明会を乗り切ったNG本社だが、法的整理を避けて宙ぶらりんの状態では、貸し倒れの手続きに入れない債権者も失業保険を受け取ることのできない従業員も、身動きがとれない状態だ。昨年10月末までの試算表しかないという言い逃れにさえ、意図的な含みが感じられなくもない。4日付の全国紙でも報じられたようで、今後はショップ経営者や会員も話題の焦点となりそうだ。NET-IBでは今後も引き続き動向を見守っていく。