超高層ビルが大きく揺れる巨大地震が起きた場合、東京・新宿にある東京都庁舎は、10階から40階にかけて建物の内部が損傷し、使えなくなるおそれがあることが東京都の調査でわかりました。都は、補強工事などの抜本的な対策に乗り出すことにしています。
東京都庁の第一庁舎は20年前の平成3年に新宿副都心に完成した地上48階建て、高さ243メートルの超高層ビルです。都は想定される東海地震と東南海地震が同時に発生してマグニチュード8.3の巨大地震となった場合に、庁舎にどのような影響が出るか、専門家を交えて調査を行いました。その結果、庁舎は倒壊することはないものの、巨大地震特有の周期の長い揺れ、「長周期地震動」に共振しておよそ10分間にわたって大きく揺れ続け、10階から40階の間に損傷が出るおそれがあるほか、天井や配管設備なども壊れて使えなくなるおそれがあることがわかりました。東京都は、この調査結果を基に3年後の平成26年度から建物の大規模な改修工事を行うなど抜本的な対策に乗り出すことになりました。高さ60メートルを超える超高層ビルは東京都内だけでおよそ1000棟に上りますが、専門家によりますと「長周期地震動」の対策が取られずに巨大地震で使えなくなるおそれがあるビルが多く、揺れを抑える対策工事などに乗り出す動きは一部にとどまっているということです。