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入試問題流出 なぜ予備校生は“禁じ手”に走ったのか

産経新聞 3月3日(木)21時32分配信

 「合格したかった」。入試の根幹を揺るがすネット投稿カンニング事件で、京都府警に逮捕された大手予備校「河合塾」仙台校の男子予備校生(19)は取り調べに対し、素直に容疑を認めているという。高校時代は「目立たない生徒」だったが、予備校でぐんぐんと成績を伸ばして、目指すは京都大。高い志の裏で、“受験の禁じ手”に踏み切らせたものはなんだったのか。

 3日午前11時50分。サラリーマンらが行き交うJR仙台駅構内に警察官が駆け付け、若い男性を取り囲んだ。仙台市内の塾の寮を2日夕に抜け出したまま所在が分からなくなっていた予備校生は、周囲にいた人が気付かないほど静かに身柄を確保され、パトカーに連行されていった。

 河合塾仙台校に京都府警から捜査協力の要請があったのは、3日午前4時ごろ。名前や出身地などから「京大文系」コースに通っている予備校生だと確認された。予備校では1人で黙々と勉強するタイプで、毎週提出が求められる添削問題もきちんと提出していた。

 「(センター試験で)思うような点数が取れなかった。(京大の前期試験は)頑張らないといけないですよね」。センター試験から1週間あまりが過ぎた1月下旬、予備校生は河合塾の担任に不安そうに相談したという。担任は、まだ挽(ばん)回(かい)できるという気持ちを込めて、「頑張っていかないとな」と励ました。

 髪の毛を染め、耳にはピアス。授業の合間はいつも音楽を聴いているほどの音楽好きだった。模試の成績は仙台校全体で5位以内のときもあり、クラスメートの男子生徒(19)は「頭は良い。噂にはなっていたが、何でという感じ。動機が分からない」と首をかしげた。

 中学時代の夢は、公務員になること。バスケットボール部のキャプテンで、短距離でも県大会に出場するなど文武両道だった。当時の教員は「何事も一生懸命で、そんな大それたことをやる子ではない。信じられない」と言葉を失った。

 1年前に卒業した山形県の高校は、卒業生の大半が大学に進学する県内有数の進学校。バスケ部のレギュラーで、運動会の副実行委員長を務めるなど、生徒の間で人望はあったが、教員の印象は「目立たない普通の生徒」だった。

 在校時の成績は「中の中」。高校3年のときには早稲田大、明治大を受験したが不合格だった。当時の担任教諭は「少し厳しいかな」と感じていたという。

 予備校でも最初のうちは地元の山形大を志望していたが、昨秋ごろから成績が上がり、京大を目指すようになったようだ。高校には先日、母親が早大合格を連絡してきたばかりだった。

 高校まで過ごした山形県内の実家で暮らす祖父はこういって肩を落とした。

 「気持ちに負けたということは、それだけ弱かったということ。恥ずかしくて話したくない」

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最終更新:3月3日(木)22時45分

産経新聞

 

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