福岡

　添田町は２１日、観光、宿泊、物産販売など町有６施設について公募していた指定管理者の導入を見送る方針を明らかにした。応募団体と条件面で折り合いがつかなかった。当面直営を続け、来年度に改めて公募する方針。

　募集対象は、道の駅「歓遊舎ひこさん」▽英彦山温泉しゃくなげ荘とひこさんホテル和（なごみ）▽英彦山スロープカーと英彦山花園の３グループ６施設。昨年１１～１２月の公募で各グループに県外企業や地元グループなど各３団体の応募があったが、提案内容が「経営の合理化、住民サービス向上という目的と隔たりがあった」（町幹部）と判断した。

　業者側からは「従業員の雇用保障など条件が厳しく、民間ノウハウを発揮できる余地が少ない」との不満も聞かれたという。

　各施設は０９年の町議会で、山本文男・前町長が提出した指定管理者選定議案の否決以降、直営体制が続いている。赤字施設があるため町財政負担増が懸念されており、寺西明男町長は「民間が参入しやすい条件を検討し、経営改善とともに地域振興を図る目的を達成できるよう再度公募したい」としている。

〔筑豊版〕