リオン被告の公判で並ぶ傍聴希望者の列=東京地裁(撮影・田村亮介)
歌舞伎俳優・市川海老蔵(33)に重傷を負わせたとして、傷害罪に問われた伊藤リオン被告(27)の第2回公判が3日、東京地裁で開かれ、検察側は懲役2年を求刑した。
被告人質問で伊藤被告は「大けがをさせただけでなく、社会的、経済的にも迷惑をかけた。歌舞伎界の方にも申し訳ない」と謝罪。「海老蔵さんの行動が普通ではなく、何をするか分からない状態でしたが、今考えればやりすぎてしまった」と反省の気持ちを述べた。
一方で事件当日、伊藤被告の先輩である暴走族の元リーダーに海老蔵が頭突きをしたことが事件の引き金になったと主張。「元リーダーを守りたかった」とし、弁護側は過剰防衛に当たると主張した。
検察側は、逮捕歴9回の伊藤被告が過去に関わったとされる事件にも触れ、「暴力を振るうクセが根深く、法律を守る気にも欠けていて、また同じことをするのではないかという国民の不安もある」と指摘。質問の際に「刑務所に入って反省した方がいいのでは」と問いかけ、伊藤被告は「分かってます」と力ない声を漏らした。
最終陳述では、傍聴席から妻と母が見守る中、「これからは地道に働いて子どもに恥ずかしくない人生を送ろうと思います」と述べた。14日に開かれる判決公判で、昨年末から話題を独占してきた海老蔵殴打事件は、ひとつの区切りを迎える。
(2011年3月3日)
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