一審無罪の被告に逆転有罪 詐欺罪で高裁金沢支部住宅の補償交渉をめぐり1670万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた東京都の不動産会社社員木村一博被告(53)の控訴審判決で、名古屋高裁金沢支部(伊藤新一郎裁判長)は17日、一審の無罪判決を破棄、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役4年)の逆転有罪判決を言い渡した。 伊藤裁判長は「被告は現金をだまし取ろうとしており、一審判決には事実誤認がある」と認定。一方、被害者が現金の供託先にこだわりがなかった可能性も指摘、「詐欺は未遂にとどまる」と結論づけた。 判決によると木村被告は2002年、石川県の女性らから、仲介した新築住宅で見つかった欠陥について建築業者との交渉を依頼され「弁護士への供託金」として1670万円を預かった。この金を弁護士に渡さず修理費として別の建設会社に支払ったが、同社は倒産。住宅は修理されず、女性らの告訴を受け逮捕、起訴された。 金沢地裁は昨年10月、女性が被告に交渉の一切を任せると契約していたことから「だます意図があったとは言えない」とし、無罪を言い渡した。 【共同通信】
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