飯塚市で1日に開かれた「暴力追放緊急決起大会」は、279団体、約1100人が参加し、飯塚市の暴追大会の中としては「過去最大規模」(市幹部)となった。「迷惑だ」「出て行け」-。参加した市民の怒りは頂点に達した。
雨にもかかわらず、参加者は昨年10月の暴追大会を約300人も上回った。2月19日の川崎町、21日の飯塚市の発砲事件がともに建設会社関係の建物が狙われたため、主催者の一つの市は建設関連事業者に積極的な参加を呼びかけた。
「嫌がらせはしょっちゅう」。この日の決起大会に参加した建設関連会社の50代の男性作業員は、暴力団員をうかがわせる男から会社に電話がかかり、工事の入札から手を引くよう脅されたことがあるという。「暴力団がいなくなれば、工事はもっとスムーズに進むはず。迷惑団体だ」
飯塚署によると、管内には指定暴力団の構成員は約100人いるという。最近5年間で発砲事件は5件起きたが、いずれも暴力団の関与の疑いが強いとみている。
「未成年を食い物にしていることが許せない」。同署の少年補導員連絡会の三善見治会長は、暴力団が覚せい剤を未成年者に売買している実態を指摘する。「暴力団は社会を担う子どもたちに悪影響を与えている」と警鐘を鳴らす。
住民の身近で起きた発砲事件に住民は不安を感じている。市内の地区青少年健全育成会の男性会長(59)は「みんなが安心して暮らせるまちにしてほしい」と注文した。
=2011/03/02付 西日本新聞朝刊=