大阪府豊能町で先月、人骨が見つかった事件で、大阪府警は3日、人骨の身元について、09年3月から行方不明の元大工、宇野昭二さん(当時57歳)と断定したと発表した。昭二さんは、同府高槻市で昨年4月に絞殺体で見つかった宇野津由子さん(当時36歳)の養父(自殺、当時39歳)と養子縁組している。府警は、養父の知人2人を、死体遺棄などの疑いで逮捕したことを明らかにした。
昭二さんと津由子さんには多額の保険がかけられており、府警は保険金目的の連続殺人事件の可能性もあるとみて、昭二さんの死亡の経緯などについて慎重に捜査を進める。
2人は、無職の詫間良治被告(40)=詐欺などの罪で実刑判決=と、自首して遺体の遺棄を告白した元暴力団組員の明石知久容疑者(41)=神戸市長田区前原町1。逮捕容疑は09年3月ごろ、養父と共謀し、昭二さんの遺体をなたで切断、豊能町の山中や養父所有の店舗兼住宅の敷地に埋めた、としている。歯の治療痕が昭二さんのものと一致した。
捜査1課によると、明石容疑者の知人男性が遺棄について兵庫県警の捜査員に連絡。情報提供を受けた府警が先月4日、明石容疑者の供述通り、骨を見つけた。明石容疑者は「詫間容疑者に指示されて遺体を埋めた」と認めているが、詫間容疑者は黙秘している。【近藤大介】
毎日新聞 2011年3月4日 東京朝刊