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南北朝鮮、1月に中国で秘密接触 首脳会談実現目指す(1/2ページ)

2011年3月4日7時36分

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 【ソウル=牧野愛博】韓国と北朝鮮の政府関係者が1月、南北首脳会談の実現を目指し、中国で秘密接触していた。韓国政府関係筋などが明らかにした。北朝鮮による武力挑発の処理などを巡っても意見を交換した。南北関係改善を模索する動きで、6者協議や米朝、日朝対話などに影響を与える可能性がある。

 秘密接触には、北朝鮮側からは南北関係を主に担当する朝鮮労働党統一戦線部の関係者が出席した。南北首脳会談の実現を目指し、障害となる昨年3月の韓国哨戒艦沈没事件や11月の北朝鮮軍による韓国・大延坪島(テヨンピョンド)への砲撃、核問題などの扱いを協議した。

 韓国側は南北首脳会談について、平壌で実施した過去2回と異なり、北朝鮮以外の場所での開催を要求。結論は出なかったが、北朝鮮は武力挑発について遺憾の表明も可能との考えも示したという。

 だが、北朝鮮は2月8、9両日の南北軍事実務者接触で、沈没事件への関与を否定。砲撃も韓国側に責任があるとの考えを示した。経済難や権力継承問題などに悩む北朝鮮は一昨年秋と昨年夏にも党を中心に南北関係の改善を目指す動きをみせたが、その後に北朝鮮軍による武力挑発が起きている。韓国政府関係者の一人は「北の軍と党の間で意見調整ができていないようだ」としている。

 韓国政府が南北首脳会談を目指す背景には、任期が残り2年を切った李明博(イ・ミョンバク)政権の実績を作る狙いがある。朝鮮半島の緊張緩和を求める米中両国の圧力をかわし、朝鮮半島情勢を巡る協議の主導権を一気に握りたい思惑もある。

 ただ、李政権は北朝鮮に融和的な前政権までの「太陽政策」を批判。北朝鮮の核放棄を重視するとともに、無原則な支援を拒んできた。南北首脳会談でも核問題を必ず取り上げるとする一方、大規模な経済支援を見返りに提供しない方針を堅持している。

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