野党を「あいつら」呼ばわり 安住国対委員長の責任転嫁術
週刊文春 3月3日(木)12時12分配信
「あいつら何にも分かってない」「バカ。お前らも何にも分かってない!」。ねじれ国会で苦しむ民主党の中で、野党を「あいつら」、記者団を「お前ら」呼ばわりして意気軒昂なのが誰あろう、野党対策の先頭に立つ安住淳国会対策委員長だ。
当初は低姿勢で、最も重要な公明党の漆原良夫国対委員長らに毎日、電話で「どうもお世話になっています」とご機嫌伺いを欠かさなかったが、与党の思惑通りに国会運営が進まなくなると「本当にマスコミはどうしようもない」と、記者団に八つ当たり、責任転嫁が目立ってきた。
だが、マスコミを目の敵にするのはお門違い。安住氏自身がNHK記者出身、しかも政治部に所属していたからだ。当時を知る自民党関係者の話。
「安住氏の同期には今、夜九時のニュースキャスターをやっている大越健介氏ら優秀な人材が揃っており、彼は二線級の記者と見られていた」
こうした事情もあってか、早くから政治家に転身する夢を抱き、早大雄弁会の伝手(つて)を頼って小渕恵三元首相が率いた小渕派からの出馬を模索したが、結局、平成五年に新党さきがけから出馬して落選。雌伏の時を経て三年後、民主党で初当選してからは連続当選。はや当選五回で防衛副大臣も経験した立派な幹部だ。岡田克也幹事長の数少ない側近として知られ、国対委員長にも岡田氏の抜擢で就任した。
「しかし『空気が読めないKY』の岡田氏と同様、意気込みはあれど空回りの連続。記者とのコミュニケーションをよくしようと毎日午後四時から取材を受け始めたが、その前後には八つ当たりすることしきり。『お前らの上のデスクから重要なことは連絡をもらっている』などと言うこともしばしば」(政治部記者)
官僚たちの評判もイマイチ。中央省庁幹部がため息をつく。
「安住さんに“ご説明”すると、アタマがいいと思っているのか、途中で『分かった、分かった』と遮る。それで途中段階の話をすぐ公表してしまうので、結局メチャクチャになってしまう」
その典型例が、年度初めに成立させなければならない「日切れ法案」の扱い。野党が賛成できるものを切り分ける「分割方式」を提案したが、野党の反発でご破算に。安住氏は「よかれと思って発言したのに……」と野党に責任をおっかぶせる始末。「とても国会の司令塔たり得ない」と民主党内は嘆き節一色だ。
(週刊文春2011年3月10日号「THIS WEEK 政治」より)
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だが、マスコミを目の敵にするのはお門違い。安住氏自身がNHK記者出身、しかも政治部に所属していたからだ。当時を知る自民党関係者の話。
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こうした事情もあってか、早くから政治家に転身する夢を抱き、早大雄弁会の伝手(つて)を頼って小渕恵三元首相が率いた小渕派からの出馬を模索したが、結局、平成五年に新党さきがけから出馬して落選。雌伏の時を経て三年後、民主党で初当選してからは連続当選。はや当選五回で防衛副大臣も経験した立派な幹部だ。岡田克也幹事長の数少ない側近として知られ、国対委員長にも岡田氏の抜擢で就任した。
「しかし『空気が読めないKY』の岡田氏と同様、意気込みはあれど空回りの連続。記者とのコミュニケーションをよくしようと毎日午後四時から取材を受け始めたが、その前後には八つ当たりすることしきり。『お前らの上のデスクから重要なことは連絡をもらっている』などと言うこともしばしば」(政治部記者)
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最終更新:3月3日(木)12時12分
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