［国際］「われわれは競争状態にある」クリントン米国務長官、中国への警戒感あらわに（2011.3.3 18:19）

　【ワシントン＝犬塚陽介】クリントン米国務長官は２日、上院外交委員会の公聴会で、中国がオセアニア地域で天然資源を目当てに影響力の拡大を図っていると指摘。「われわれは中国と競争状態にある」とし、中国は各国の首脳を北京に呼び「飲ませ食わせをしている」と批判した。

　米国側は１月の胡錦濤国家主席の訪米もあって、これまで直接的な批判を控えていただけに、中国側の反発を呼びそうだ。

　クリントン長官は米石油大手エクソンモービルが開発するパプアニューギニアの天然ガスについて、中国が利権の獲得に本腰を入れており「毎日、どうやって参入しようかを探っている」と指摘した。

　また、中国はフィジーをはじめとした「独裁政権」など島嶼国への接近を図り、指導者を北京に招いて歓待している－と主張し、なりふり構わぬ外交手法を批判した。

　一方で、クリントン長官は、中国の台頭によって米国の影響力は低下しかねない事態に陥っていると危機感をあらわにし、各国への援助を減少しても米国の指導力に変化はないと考えるなら「それは誤った認識だ」と語った。