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大蔵省OB弁護士グループ、追徴減額の3億円を丸々報酬に
大蔵省OB弁護士グループ、追徴減額の3億円を丸々報酬に 2008年1月6日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080106i201.htm
旧大蔵省OBの弁護士らのグループが、約70億円の所得隠しを指摘されたパチンコ景品交換業者の追徴課税処分に対する異議申し立て手続きを代行して、3億円もの報酬を受け取っていたことがわかった。
報酬が支払われたのは2006年だが、弁護士らは「節税対策」と称し、07年から数年に分けて支払われたことにする経理操作も依頼していた。業者側は3億円の支払いで、異議申し立てによる減額分を吐き出す形になっており、「不当に高い」として弁護士らに返却を求める考えだ。
巨額の報酬を受け取っていたのは、元大蔵省銀行局審議官の杉井孝弁護士(60)と、元国税局OBの税理士2人。杉井弁護士は1998年に金融機関からの過剰接待で懲戒処分を受けて辞職、税理士らは東京国税局査察部次長や八王子税務署長などを務めていた。
関係者によると、金沢市などでパチンコ景品交換業を営んでいた中村直秀氏(昨年9月に85歳で死去)は06年初め、金沢国税局から収入の多くを除外したとして04年までの7年間で約70億円の所得隠しを指摘され、重加算税を含めて所得税約38億円を追徴課税(更正処分)された。中村氏はこれを不服として、東京国税局間税部長の経験もある杉井弁護士に異議申し立ての手続きを依頼。杉井弁護士は税理士らと数人で「杉井プロジェクト」と名付けたグループを作り、中村氏の住所が移転したのに伴い、06年4月ごろ東京国税局に異議を申し立てた。
グループへの報酬は、申し立て前の3月ごろに着手金5000万円、10月ごろに2億5000万円が支払われた。2億5000万円は銀行口座を通さずに税理士2人が金沢市に出向いて現金で受け取り、「代理業務等報酬の中間金」と記した「預かり証」を渡した。
中村氏の遺族によると、税理士は3億円の算定根拠を、地方税も含めて70億円に上る追徴税額を10億円に減額する見込みがあるとして「差額60億円の5%」と説明。東京国税局が昨年6月に出した決定では、税額が約3億円減らされただけで中村氏側の主張はほぼ退けられたが、その後も精算されていないという。
また、業務の大部分は06年中に終わっていたが、グループは、中村氏に2億5000万円を07年から数年に分けて支払った形にするよう要請。報酬の20%(100万円以下の部分は10%)の源泉所得税分も追加負担するよう求めてもいた。
3億円から杉井弁護士は6500万円、税理士2人は各8000万円前後を受け取ったとみられる。弁護士や税理士の報酬基準は、規制緩和で02〜04年に廃止されたが、中村氏側の新たな代理人弁護士は、「税額の減額幅は期待とかけ離れており、報酬は明らかに過大」と指摘。中村氏は20億円近くの追徴税を滞納しており、遺族は「言われるままに払ったが、納税のためにも払い過ぎた分は返してほしい」と話している。
読売新聞の取材に対し、グループの税理士は「非常に難しい案件で、報酬額は妥当」とし、分割払いの形を装おうとした理由を「中村氏の源泉所得税の負担を軽くするため」と説明した。杉井弁護士は「中村氏との契約に基づき報酬をもらった。杉井プロジェクトなんて知らない」としている。
巨額報酬弁護士、内規で義務付けの委任契約書を交わさず 2008年1月7日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080107i401.htm?from=main4
旧大蔵省OBの杉井孝弁護士(60)らのグループが、国税当局に所得隠しを指摘されたパチンコ景品交換業者から巨額の報酬を受け取っていた問題で、杉井弁護士は異議申し立て手続きを依頼された際、報酬などを明記した委任契約書を渡していなかったことがわかった。
日本弁護士連合会(日弁連)は内部規定で委任契約書作成を義務付けており、業者側は杉井弁護士の懲戒請求を検討している。
関係者によると、杉井弁護士は2005年に金沢国税局の税務調査を受けたパチンコ景品交換業・中村直秀氏(昨年9月死去)を知人から紹介され、相談に乗るようになった。06年に中村氏が約70億円の所得隠しを指摘され、重加算税を含めて約38億円を追徴課税(更正処分)されると、東京国税局OBの税理士らと作ったグループで国税当局への異議申し立て手続きの代理業務を受任。同年中に計3億円の報酬を受け取った。
弁護士報酬については04年、業務内容などに応じて具体的に定めた基準が規制緩和で撤廃された。日弁連は弁護士と依頼者とのトラブルを防ぐため、基準に代わって新たに「弁護士の報酬に関する規程」を策定。弁護士に対し、独自の報酬基準の作成や法律事務を受ける際に依頼人に報酬額や費用を説明すること、報酬額や支払時期などを明記した委任契約書を作成することを義務付けた。
契約当時、中村氏は療養中で、グループとの打ち合わせは親族や知人があたった。親族などによると、杉井弁護士とは委任契約書を交わしておらず、グループから口頭で着手金として5000万円、中間金として2億5000万円を支払うよう求められたという。
中村氏側は今後、グループに支払った3億円は不当に高かったとして、過払い分の返却を求める考えだが、中村氏側の代理人弁護士は杉井弁護士が日弁連の内規に違反した点についても「懲戒請求の提起も考えたい」としている。
一方、グループの税理士2人は3億円から各8000万円前後の報酬を受け取ったとみられるが、税理士については顧客への説明責任を義務付けた税理士会の内規はないという。
杉井弁護士は取材に、「厳格には(委任契約書を)作成していなかったかもしれない」と述べている。
この問題。報酬額が妥当かどうかもさながら、現金で受け取った2億5000万円の存在を立証できるかどうかもかなり難しい問題を抱えているように思います。
事実杉井弁護士は『杉井プロジェクトなんて知らない』と関与を否定しているようですし、せめて2億5000万円が金融機関経由での振込ならば、キャッシュの出入りを立証できたかもしれませんが、税理士2人が金沢市に出向いて現金で受け取ったというのでは、極端な話、この2人がトンズラしてしまえば、立証そのものが非常に困難になるのではないでしょうか。
そうなれば、3億の減額に対して5000万円の出費が妥当かどうかになりますが、この程度(3億に対して5000万円)ならば、報酬は法外とまではいえないでしょうね。
結局のところ、中村氏側は、報酬の妥当性と、払った金額が5000万円かそれとも3億円かという双方で裁判を争わなければなりませんが、被害者にとって満足した判決を得るのは正直かなり厳しくなりそうな気がしますね。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080106i201.htm
旧大蔵省OBの弁護士らのグループが、約70億円の所得隠しを指摘されたパチンコ景品交換業者の追徴課税処分に対する異議申し立て手続きを代行して、3億円もの報酬を受け取っていたことがわかった。
報酬が支払われたのは2006年だが、弁護士らは「節税対策」と称し、07年から数年に分けて支払われたことにする経理操作も依頼していた。業者側は3億円の支払いで、異議申し立てによる減額分を吐き出す形になっており、「不当に高い」として弁護士らに返却を求める考えだ。
巨額の報酬を受け取っていたのは、元大蔵省銀行局審議官の杉井孝弁護士(60)と、元国税局OBの税理士2人。杉井弁護士は1998年に金融機関からの過剰接待で懲戒処分を受けて辞職、税理士らは東京国税局査察部次長や八王子税務署長などを務めていた。
関係者によると、金沢市などでパチンコ景品交換業を営んでいた中村直秀氏(昨年9月に85歳で死去)は06年初め、金沢国税局から収入の多くを除外したとして04年までの7年間で約70億円の所得隠しを指摘され、重加算税を含めて所得税約38億円を追徴課税(更正処分)された。中村氏はこれを不服として、東京国税局間税部長の経験もある杉井弁護士に異議申し立ての手続きを依頼。杉井弁護士は税理士らと数人で「杉井プロジェクト」と名付けたグループを作り、中村氏の住所が移転したのに伴い、06年4月ごろ東京国税局に異議を申し立てた。
グループへの報酬は、申し立て前の3月ごろに着手金5000万円、10月ごろに2億5000万円が支払われた。2億5000万円は銀行口座を通さずに税理士2人が金沢市に出向いて現金で受け取り、「代理業務等報酬の中間金」と記した「預かり証」を渡した。
中村氏の遺族によると、税理士は3億円の算定根拠を、地方税も含めて70億円に上る追徴税額を10億円に減額する見込みがあるとして「差額60億円の5%」と説明。東京国税局が昨年6月に出した決定では、税額が約3億円減らされただけで中村氏側の主張はほぼ退けられたが、その後も精算されていないという。
また、業務の大部分は06年中に終わっていたが、グループは、中村氏に2億5000万円を07年から数年に分けて支払った形にするよう要請。報酬の20%(100万円以下の部分は10%)の源泉所得税分も追加負担するよう求めてもいた。
3億円から杉井弁護士は6500万円、税理士2人は各8000万円前後を受け取ったとみられる。弁護士や税理士の報酬基準は、規制緩和で02〜04年に廃止されたが、中村氏側の新たな代理人弁護士は、「税額の減額幅は期待とかけ離れており、報酬は明らかに過大」と指摘。中村氏は20億円近くの追徴税を滞納しており、遺族は「言われるままに払ったが、納税のためにも払い過ぎた分は返してほしい」と話している。
読売新聞の取材に対し、グループの税理士は「非常に難しい案件で、報酬額は妥当」とし、分割払いの形を装おうとした理由を「中村氏の源泉所得税の負担を軽くするため」と説明した。杉井弁護士は「中村氏との契約に基づき報酬をもらった。杉井プロジェクトなんて知らない」としている。
巨額報酬弁護士、内規で義務付けの委任契約書を交わさず 2008年1月7日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080107i401.htm?from=main4
旧大蔵省OBの杉井孝弁護士(60)らのグループが、国税当局に所得隠しを指摘されたパチンコ景品交換業者から巨額の報酬を受け取っていた問題で、杉井弁護士は異議申し立て手続きを依頼された際、報酬などを明記した委任契約書を渡していなかったことがわかった。
日本弁護士連合会(日弁連)は内部規定で委任契約書作成を義務付けており、業者側は杉井弁護士の懲戒請求を検討している。
関係者によると、杉井弁護士は2005年に金沢国税局の税務調査を受けたパチンコ景品交換業・中村直秀氏(昨年9月死去)を知人から紹介され、相談に乗るようになった。06年に中村氏が約70億円の所得隠しを指摘され、重加算税を含めて約38億円を追徴課税(更正処分)されると、東京国税局OBの税理士らと作ったグループで国税当局への異議申し立て手続きの代理業務を受任。同年中に計3億円の報酬を受け取った。
弁護士報酬については04年、業務内容などに応じて具体的に定めた基準が規制緩和で撤廃された。日弁連は弁護士と依頼者とのトラブルを防ぐため、基準に代わって新たに「弁護士の報酬に関する規程」を策定。弁護士に対し、独自の報酬基準の作成や法律事務を受ける際に依頼人に報酬額や費用を説明すること、報酬額や支払時期などを明記した委任契約書を作成することを義務付けた。
契約当時、中村氏は療養中で、グループとの打ち合わせは親族や知人があたった。親族などによると、杉井弁護士とは委任契約書を交わしておらず、グループから口頭で着手金として5000万円、中間金として2億5000万円を支払うよう求められたという。
中村氏側は今後、グループに支払った3億円は不当に高かったとして、過払い分の返却を求める考えだが、中村氏側の代理人弁護士は杉井弁護士が日弁連の内規に違反した点についても「懲戒請求の提起も考えたい」としている。
一方、グループの税理士2人は3億円から各8000万円前後の報酬を受け取ったとみられるが、税理士については顧客への説明責任を義務付けた税理士会の内規はないという。
杉井弁護士は取材に、「厳格には(委任契約書を)作成していなかったかもしれない」と述べている。
この問題。報酬額が妥当かどうかもさながら、現金で受け取った2億5000万円の存在を立証できるかどうかもかなり難しい問題を抱えているように思います。
事実杉井弁護士は『杉井プロジェクトなんて知らない』と関与を否定しているようですし、せめて2億5000万円が金融機関経由での振込ならば、キャッシュの出入りを立証できたかもしれませんが、税理士2人が金沢市に出向いて現金で受け取ったというのでは、極端な話、この2人がトンズラしてしまえば、立証そのものが非常に困難になるのではないでしょうか。
そうなれば、3億の減額に対して5000万円の出費が妥当かどうかになりますが、この程度(3億に対して5000万円)ならば、報酬は法外とまではいえないでしょうね。
結局のところ、中村氏側は、報酬の妥当性と、払った金額が5000万円かそれとも3億円かという双方で裁判を争わなければなりませんが、被害者にとって満足した判決を得るのは正直かなり厳しくなりそうな気がしますね。
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東京国税局OBの税理士らに追徴課税を約64億円減らせると言われ、金沢市の男性(故人)が約3億円の報酬を預けたのに実現しなかったとして、
男性の妻が返還を求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。
松本光一郎裁判長は「大幅減額が確実だという虚偽の事実を告げたとは認められない」と指摘し、請求を棄却した。
訴えられたのは、元東京国税局査察部次長の税理士ら。
妻は当初、一緒に依頼を受けた元大蔵省審議官の杉井孝弁護士らも提訴したが、杉井氏らは2010年8月までに和解に応じた。
判決によると、パチンコ景品交換業を営んでいた男性は06年、金沢国税局から約77億円の追徴課税処分を受けた。
男性は税理士らに減額交渉を任せ、計3億1000万円を渡したが、実際の減額幅も約3億1000万円にとどまった。
妻側は「事前に『異議申し立てで、課税処分は約13億円に収まる』と説明された」と主張していた。
[時事通信社]
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201102230081.html
http://megalodon.jp/2011-0303-2117-09/www.asahi.com/national/jiji/JJT201102230081.html
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