日本でも航空機が一段と身近な移動手段になりそうだ。アジアや豪州から「LCC(ロー・コスト・キャリアー)」と呼ばれる低コスト航空会社が相次ぎ乗り入れているが、日本の全日本空輸も最近、新会社を設立した。
既存の航空会社の半分程度の運賃を目指すという。選択できる航空会社が多くなるのは歓迎だ。今後も低コスト航空が日本に増えれば、新幹線などからの代替だけでなく、乗ったことのない人の需要も生まれる。
米国では航空機の利用者がこの30年間に国内線だけで約4割増えた。既存の航空会社は実は成長が止まり、100社以上もある低コスト航空が新しい需要を掘り起こした。
アジアでも似たような現象が起きつつある。日本には中国の春秋航空、マレーシアのエアアジアXといった新興企業が乗り入れた。これらの乗客の半分以上は航空機利用が初めて、またはめったに乗らなかった人だという。急増する中間層の需要を低コスト航空がつかんだ。
これに注目するのは韓国とシンガポールだ。人件費の安い外国人乗員を使えるようにするなど政府が規制緩和を進め、主要空港は低コスト航空の施設整備や着陸料を見直した。航空機での出入国者数の伸びはいずれも日本より大きくなった。
日本も負けられない。羽田空港の国際化と成田空港の発着枠が昨年拡大したのを機に、海外の低コスト航空から日本に飛びたいとの希望が増えている。外国客の出入りが活発になれば観光、ビジネス、医療などで経済活性化と雇用創出につながる。自国の航空会社を守るために海外勢の参入を制限すべきではない。
日本での新規参入を促すためにも専用ターミナルの整備、着陸料の引き下げは欠かせない。発着枠が今後も不足する可能性がある首都圏では、既存の航空会社が既得権として持ちながら、実際はあまり使っていない枠を、再配分する仕組みづくりを検討すべきだ。
国土交通省が昨年開いた成長戦略会議では、運航や運賃などについて100を超す航空規制緩和の要望が挙がった。だが、実現したのは約1割にとどまっている。見直し作業をもっと急ぐべきではないか。
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