東京国税局OBの税理士らに追徴課税を約64億円減らせると言われ、金沢市の男性(故人)が約3億円の報酬を預けたのに実現しなかったとして、男性の妻が返還を求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。松本光一郎裁判長は「大幅減額が確実だという虚偽の事実を告げたとは認められない」と指摘し、請求を棄却した。
訴えられたのは、元東京国税局査察部次長の税理士ら。妻は当初、一緒に依頼を受けた元大蔵省審議官の杉井孝弁護士らも提訴したが、杉井氏らは2010年8月までに和解に応じた。
判決によると、パチンコ景品交換業を営んでいた男性は06年、金沢国税局から約77億円の追徴課税処分を受けた。男性は税理士らに減額交渉を任せ、計3億1000万円を渡したが、実際の減額幅も約3億1000万円にとどまった。
妻側は「事前に『異議申し立てで、課税処分は約13億円に収まる』と説明された」と主張していた。
[時事通信社]