民主・佐藤夕子衆院議員が離党届、「減税日本」合流表明

民主党の岡田幹事長に離党届を提出後、記者に囲まれる佐藤夕子衆院議員

　民主党の小沢一郎元代表に近い佐藤夕子衆院議員（愛知１区）は３日午後、菅直人首相の党運営を不満として、離党届を岡田克也幹事長に提出した。同時に、河村たかし名古屋市長が立ち上げた政治団体「減税日本」に合流する考えを表明した。首相にとって会派離脱届を提出した衆院比例代表１６議員らに続く離反は新たな痛手。首相の求心力が一段と低下するのは避けられない。

　岡田氏は佐藤氏と国会内で会談し、離党届を受理せず慰留した。佐藤氏が離党の意思を曲げなかったため、岡田氏は１３日投票の名古屋市議選以降の再会談を呼び掛けた。

　執行部は佐藤氏が今後も離党の意思を変えなかった場合、引き締めのため離党を認めず「除籍（除名）」処分とする方針で臨む。党内亀裂が深まる可能性もある。

　佐藤氏は離党の理由として「菅政権は増税路線で、私が２００９年に当選した時の民主党とは少し違う」と記者団に述べた。また４日に告示される名古屋市議選で減税日本の候補を応援するため「離党してけじめをつけたい」とした。

　岡田氏は会談後の記者会見で「離党届を撤回してくれることを期待している」と表明。名古屋市議選に関し「民主党候補が苦戦しているので、減税日本の応援は控えてほしい」と佐藤氏に要請したことを明らかにした。

　一方、河村氏は３日、記者団に「減税勢力を国政につくる上で、佐藤氏の判断はありがたい。強い援軍を得た」と歓迎の意向を表明。国政進出への足掛かりとしたい考えをにじませた。

　佐藤氏は河村氏が民主党衆院議員当時の秘書。愛知県議を経て、０９年衆院選で河村氏の地盤を引き継ぎ初当選した。小沢氏を支持する衆院１回生の「北辰会」に所属し、菅政権のマニフェスト（政権公約）見直し方針に反発していた。

（2011年3月3日18時58分  スポーツ報知）

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