【静岡】寺田容疑者、あいまいな動機を供述 浜松・バス乗っ取り事件2011年3月3日 刑務所志願、憂さ晴らし浜松市中区のJR浜松駅前で2日午前、停車中の遠州鉄道の路線バスに刃物を持った男が乗り込み、バスを乗っ取った事件で、浜松中央署などが逮捕監禁と銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕した磐田市豊岡、無職寺田智容疑者(29)が、動機について「刑務所に入りたかった」「悪いことをして憂さ晴らしをしたかった」などとあいまいな供述を続けていることが同署への取材で分かった。容疑については「間違いない」と認めているという。 逮捕容疑では、寺田容疑者は2日午前11時20分ごろ、JR浜松駅前で出発前の浜松駅発気賀行きバスにナイフ(刃渡り14・5センチ)を持って乗り込み、乗客に降りるよう命じた後、運転手を脅して約30分間、10キロにわたりバスを走行させ、運転手をバス車内に監禁したとされる。 バスは停留所に止まらず、気賀行きのルート通りに走行したが、緊急配備で県道をパトカーなどがふさいでいた浜松市西区大山町で停車。運転手が昇降口を開け、警察官が中に入って寺田容疑者を取り押さえた。寺田容疑者は運転席近くにいたが、抵抗はしなかったという。 同署などによると、寺田容疑者は兄とアパートで1月末から一緒に住んでいたが、1日に追い出されており、同署は動機との関連を調べている。 捜査関係者によると、寺田容疑者は犯行時、茶色のジャンパー姿で、顔は隠していなかった。ナイフと着替えなどが入った大きな手提げかばん、リュックを持っており、所持金は640円だった。 浜松中央署によると、寺田容疑者は中央部の乗降口からバスに乗り込み、ナイフをかざしながら運転手に近づき「どこでもいいから行け」と指示。運転手は車内の乗客5、6人に降りるよう告げたが、障害者の男性1人が降りられず、途中で解放された。 兄「何かやるかも」寺田容疑者と同居していた兄(31)は、事件前日の1日に容疑者の就職をめぐり激しい口論となり、家を追い出したと語り、事件について「驚きはない。けんか別れをしたときに何かやるかもしれないと感じていた」と淡々と話した。 寺田容疑者は以前から仕事がうまくいかず、自動車関連や人材派遣の会社に勤めたが、1週間足らずで辞めることが続いていたという。 憂さ晴らしをしたかったという供述に対しては「けんかのことが意識にあったかも」と語った。 運転手 一問一答路線バスの運転手(49)が浜松市内の自宅前で中日新聞の取材に、容疑者に接した時の様子を言葉少なに話した。主なやりとりは次の通り。 −普通の乗客でないと分かったのはいつ 乗って来た時は分からなかった。分かったのはバスを出す1分半ぐらい前。斜め左後ろから首のあたりにナイフを当てられバスを出せと言われた。いらついた様子だった。 −運転中はどんなことを考えていた 恐怖心でいっぱいだったが、ほかのお客さんが乗っていたので降ろさないといけないと。普段からいろいろなお客さんへの対応教育を受けていたし、動揺させないように常に次へ次へと考えた。 −容疑者はどんなことをしゃべったか 黙っていると無視するなと言うので、怒らせないようにパチンコやプロレスの話をした。格闘技好きだったようでK−1とか軍隊の話もした。職がない、働くところがない、お金がない…とも言っていた。 −車を止めた時は 白バイやパトカーとタイミングを計りながら、バスが止まらないくらいにドアを開けた。 −今の気持ちは とにかくほっとした。 逮捕までのドキュメント前11・18 ナイフを持った男が、11時20分浜松駅発気賀行きのバスに中央乗降口から乗り込み、運転手に向かいながらナイフを突きつける。「どこでもいいから行け」。多くの乗客は車外に降りたが、障害者の男性を後部座席に乗せて発車 同11・20ごろ バスから降りた複数の乗客が、遠州鉄道バス浜松駅前ロータリーに届け出る 同11・30 「気賀行きのバスがジャックされた」。遠州鉄道バスロータリー責任者の男性が浜松駅前交番に通報 同11・30すぎ 浜松北高バス停で障害者の男性を降ろす 同11・39 県警が県西部に緊急配備態勢を敷く。パトカーや白バイなど十数台で、気賀方面に走る車両を捜索 同11・45 北区追分の姫街道で、警察車両がバスを発見 同11・50 白バイとパトカーがバスの前方に回り込み減速、停車させる。西区大山町で、細江署地域課署員が乗降口からバスに乗り込んで緊急逮捕 PR情報
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